公益財団法人日本デザイン振興会主催する「2021年のグッドデザイン賞」が発表になりました。総合的なデザインの推奨制度として、50年以上にわたり「よいデザイン」を顕彰しています。企業ごとに、本年の主な受賞作を紹介します。
新たな働き方 中央日本土地建物「REVZO 虎ノ門」がベスト100に
中央日本土地建物グループの子会社である中央日本土地建物が提案する“「はたらく」を解き放つ”をコンセプトとする中規模オフィスビル「REVZO(レブゾ)」シリーズの第一号物件「REVZO 虎ノ門」が、2021 年度のグッドデザイン賞を受賞。「グッドデザイン・ベスト 100」にも選出されました。
「REVZO 虎ノ門」について、「中規模オフィスビルの新しい普遍的形式を見出すプロジェクトとして意義がある」との評価を得ています。
「REVZO」は、働き方改革の進展、ワークライフバランスやウェルビーイングの実現など、ますます多様化が進むオフィスニーズに応えるとともに、オフィスワーカーが自分らしく、いきいきと働ける環境を実現するため立ち上げた中規模オフィスブランド。第一号物件となる「REVZO 虎ノ門」は、建築家の川島範久氏と共に計画を進め、2020 年 6 月に竣工しています。「REVZO」では、“「はたらく」を解き放つ”というコンセプトをベースに、「自由に」、「健やかに」、「知的に」、「快適に」、「上質に」、「安全に」という 6 つのブランド・バリューを定めており、「REVZO虎ノ門」においても「開放的なスケルトンの貸室」、「知的な活動を促すラウンジ」、「五感を魅了し創造性や好奇心を誘発するエントランス」といったブランド・バリューを体現するさまざまなデザインと機能を取り入れています。
【審査員評価コメント】(抜粋)
「中規模オフィスビル」にはいまだ普遍的な形式が存在しているとは言えず、これを見出すプロジェクトとして意義がある。 大きな工夫は、通常は敷地の背後側に固められる縦動線や設備のコアブロックを建物の両サイドに配置した点。これにより、オフィス空間に前後両面からの十分な採光と通り抜ける自然換気を獲得するとともに、高い天井高を確保している。 デッドスペースとなりがちな屋外避難階段と避難テラスを前面道路側に配置して、心地よい外部の居場所としていることなど、新たな要素の導入によらず通常のオフィス建築の要素群の再編により、様々な効果を得ており、中規模オフィスビルの新しい普遍的形式を示していると考えられる。
このように、2021年の受賞作を見るとコロナ禍におけるライフスタイルや脱炭素化のトレンドの中で、木材の使用やリノヴェーションなどの提案がある企画が多く見られます。
野村不動産では、「プラウド神田駿河台」がベスト100に入選
野村不動産では、合計 6 プロジェクトが受賞。日本初の木造ハイブリッド高層分譲集合住宅「プラウド神田駿河台」は、「2021 年度グッドデザイン賞」の中で高い評価を得た 100 件に贈られる「グッドデザイン・ベスト 100」に選出さています。
2021年度グッドデザイン賞 受賞プロジェクト一覧
<住宅>(中~大規模集合住宅関連のサービス)
・プラウド神田駿河台(グッドデザイン・ベスト 100 選出)
・プラウドシティ吉祥寺
・プラウド杉並方南町
・プラウドフラット中野
<オフィス>(産業施設の建築・環境)
・H¹O日本橋小舟町
<商業施設>(ランドスケープ、土木・構造物)
・Hi-NODE TOKYO HiNODE PiER
【プラウド神田駿河台の概要】
東京都千代田区神田駿河台に誕生した「プラウド神田駿河台」。柱・壁など主要構造部に、国産木材を使用した木質系構造部材を日本国内の高層分譲マンションで初めて採用。新たな領域での国産木構造部材の利用は、建築業界の常識を変え、豊かな自然環境へとつながっていく。また、住む人の意識改革を促すことからも、循環型社会の実現に貢献する。
【審査委員のコメント】
都市に最も多く建つ中大規模のビルディングタイプである集合住宅が、果敢に高層・木造ハイブリッドに挑戦していることを評価したい。 現時点では高価だが、工場での製作要素が増え、数も増えてくれば、短工期や職人の減少対応として価値も出るはずだ。 内装にも木を利用しているが、従来の分譲マンションは均質な品質の採用が重要であるため、なかなか自然素材は利用されにくいはずであった。木造というコンセプトのもとに、分譲マンションにつきまとっていた常識が覆っていることも、その構造と同様に挑戦的である。
また、プラウドシティ吉祥寺は、「三鷹市風景百選」にも選出されるヒマラヤスギの大樹を引き継ぐ、エリア最大規模の678 戸の大規模集合住宅。ヒマラヤスギを中心に住宅・商業・保育・サ高住・バス停等を複合的に開発し、SDGs に配慮した木造共用棟に設けたサードプレイスはコロナ禍の居場所として機能。新しい地域のシンボルとなる、多世代に向けた永住型住宅を提案。プロジェクトは、多くのユーザーの支持を受け早期に完売しています。
三菱地所グループは、「WORK×ation Site軽井沢」など8件の受賞
三菱地所グループは、2021 年度のグッドデザイン賞において、軽井沢のワーケーションオフィス「WORK×ation Site軽井沢」、「型枠木材のトレーサビリティ認証スキーム」、サスティナブル外装材「天然木ノンビス工法外装材」、オフィスビル「大手町ビル・リノベーション」など、合計 8 件を受賞しました。
2021年度グッドデザイン賞 受賞プロジェクト一覧
・「WORK×ation Site 軽井沢」
・「型枠木材のトレーサビリティ認証スキーム」】
・ホテル等宿泊施設「ザ・パークレックス 大濠公園」】
・集合住宅「瀬田の杜 Garden & Terrace」】
・サスティナブル外装材 都市の住宅を豊かにする、耐久性、防火性、メンテナンスに優れた「天然木ノンビス工法外装材」
・オフィス「大手町ビル・リノベーション」
・事務所ビル「LIXIL WINGビル HOSHI」
・事務所・飲食店舗「明産霞が関ビル」
ワーケーションオフィス「WORK×ation Site 軽井沢」は、長野県軽井沢のラウンドアバウト(六本辻)に面する建物のリノベーションとフォリーの増築プロジェクト。リノベーションは飲食店だった建物に光と風を新たに取り入れながらフレキシブルなワークス
タイルに対応するワーケーションオフィスへと変更。フォリーはリラックス空間と共に景観規制のなかで「何も書かないビルボード」の役割も果たす。2020年7月にグランドオープンした「WORK×ation Site 軽井沢」は、開発合宿やプロジェクト会議等を目的として都心の大企業やスタートアップ企業等様々な業態の企業様にご利用いただいている。「普通のオフィスでは味わえない解放感があった」、「環境が変わったことで普段より一歩踏み込んだ会話ができ、同僚の事をより深く知るきっかけになった」等のポジティブな感想が多く寄せられている。
【評価コメント】
軽井沢の商業施設をシェアオフィスにリノベーションした作品。COVID-19 の蔓延により生活の拠点を都心から、さほど遠くない地方へと移す動きが加速しているが、軽井沢はその代表的な地域となっている。このプロジェクトも新しい働き方をサポートするインキュベーション施設として先駆的な試みと位置付けられる。外観的なデザインの手入れとしては外装材の変更程度の小規模に留められているが、そこに小さな木製フォリーを新たに加えるだけで、まちから見た印象を刷新することに成功しているなど、建築家の高い力量をよく示している。プログラムとともにそのデザイン性も高く評価した。
三井不動産レジ、中野本町ザレジデンスなど3プロジェクトが受賞
三井不動産レジデンシャルは、 2021 年度グッドデザイン賞において、「パークホームズ中目黒」、「パークホームズ中野本町 ザ レジデンス」、「DX ロッカーシステム」の 3 プロジェクトが受賞しました。
「パークホームズ中野本町 ザ レジデンス」は、中野坂上駅から徒歩圏の住宅街にある総戸数 46 戸、地上 7 階建ての分譲マンション。計画地には従前、「塀」「緑」「門」「奥」「軒」が印象的な日本家屋が建っており、それらの特徴を継承しつつ、街並みと調和したランドマークとなるような邸宅を創造。時を経ても変わることなく、住まう方、そして地域の方から愛される建築を目指している。
【審査員評価コメント】
従前建物の記憶を引き継ぐという意思が、事業性を含めた新たな計画与件の解決と綺麗に結びついている。全体の質感や形態が部分部分で分断されることなく、美しい統一的な体験を生むように注意深くデザインされており、また「塀」の緑との関係、手すりガラ
スの意匠など、公園に対する構えは外側からの景観価値と内側の居住価値を同時に生み出すものとしてデザインされている。周辺の街の雰囲気に調和させながら商品価値を高めている点も評価された。
住友不動産は「新宿住友ビル」「シティハウス四谷坂町」 等が受賞
住友不動産では、次の5件が受賞しました。
1.オフィスビル 「新宿住友ビル」 / 新宿区・・・公開空地をガラスの大屋根で覆い、「全天候対応パブリックエリア」に再構築
2.戸建住宅 「プレミアム・J 京都五条」 / 京都市・・・日本の伝統的住まいの再構築
3.戸建住宅 「New J・アーバンコート二俣川」 / 横浜市・・・光と風を内包する家
4.共同住宅 「シティハウス品川サウス」 / 品川区・・・快適な外廊下を生み出す
5.共同住宅 「シティハウス四谷坂町」 / 新宿区・・・都心密集 集合住宅に風光を導く
「新宿住友ビル」は、超高層ビル黎明期に竣工し、初めて200mを超えた歴史的価値が高い「新宿住友ビル」のリニューアルプロジェクト。計画ではリノベーションを主軸とした大規模な改築「リビルド」により、新築を超える「新たな価値」を実現した世界的にも稀有な事例。既存ビルを利用する約10,000人の活動を生かしつつ、ビル機能を稼働しながらの工事の遂行など、難しい問題を乗り越え、47年間愛され続けたビルに「アトリウム」という新たな起爆剤を加え、次の未来を見添えたアップデータを遂げた「世界的に最もサスティナブルな超高層ビル」として生まれ変わりました。
【審査員コメント】
既存建物の改修整備は、様々な制約がデザインをアップデートする際の足枷となり、形態操作をする上で異物を付帯したような印象を与えるケースが多くみられる。ましてや本計画は50年近い高層ビルの改修計画であるが、都市に建つ太い幹が大地に根を張るような力強さを取り戻したとみれば、デザイナーの語る「建物が進化/成長できた」という言葉もあながち間違いではないように思える。一方で、都市の高度利用による経済成長を支えてきた近代ビル群が、温暖化や少子高齢化による社会変動リスクを受け入れ、新たな価値をどのように生み出していくのか。それは、大地(公開空地)との一体化により得られた安全性や快適性という公共財をどのように還元していくのかという問いに集約される。災害時はもちろんのこと、日常時の使われ方に本プロジェクトの持つ本質的な価値がみえてくることを期待したい。
東京建物は、「Brillia Tower 西新」と「Brillia ist 白金台」が受賞
東京建物は、分譲マンション「Brillia Tower 西新」と賃貸マンション「Brillia ist 白金台」が、2021年度グッドデザイン賞を受賞しました。
「Brillia Tower 西新」は、旧百貨店の減増築による街の機能転換・魅力向上~地域とともに未来を見据えた街づくり。大規模商業施設をリサイズして商圏や消費行動の変化に対応すると共に、都心居住ニーズに応える超高層住宅の増築により、旧建物を再利用しながら時代に合った用途に転換を図ったプロジェクトです。旧建物は、1981年に地元百貨店を核とした地下鉄「西新」駅直結の大規模商業施設として開業し、地元商店街と共に親しまれてきました。本事業では、旧建物の東側を解体するなど、「減築」という手法により、地域の中心的施設を残しつつ、早期の商業施設再開を実現しています。また、「減築」により生じた敷地部分に、超高層住宅を増築することで、福岡でも高まる都心居住ニーズの受け皿となることを企図しました。
【評価コメント】
減築という選択によって環境・時間その他に関わる問題を解決しながら、本敷地における新たな最適解としてのプログラムを形にした高度なマネジメントそのものが、都市空間の更新における広義のデザインとして規範性を持つものと評価された。販売床の積層であり消費の館としての記号でもあった百貨店時代の建築が、適切な企画や意匠操作によって界隈のアメニティ空間として再生され、新たな象徴性や現代的な魅力を獲得している。
東急不動産、築 35 年建物リノベと増築「光が丘パークヴィラ」受賞
東急不動産と東急イーライフデザインにおいては、築 35 年の建物リノベーションと既存建物との調和に配慮した増築を行った「光が丘パークヴィラ」が受賞しました。
健康寿命延伸・自立支援に寄与するハード(共用棟)を整備し、同時に、自立期・生活支援や医療支援を受ける時期・手厚い介護や看護が必要な時期など人生 100 年時代の様々な段階をシームレスに繋ぐ「中間期介護」というソフトサービスを開始しました。
ハード面とソフト面の双方を一体で強化することにより、従来負担が大きかったスタッフの業務効率化を可能にし、入居者それぞれの身体状況に応じた適切なサポートを提供できる環境を実現。さらに、「我が家」を彷彿とさせるシンボリックでありながら周辺環境との親和性を重視した建築計画は、これまでの趣があるデザインを継承しながら、超高齢社会に対応し介護業界の人手不足解決の一助となる住宅をもたらしました。
【審査員評価コメント】
本プロジェクトにおける「自立期と介護期をつなぐ住宅」というテーマ、そしてその空間環境とオペレーションのあり方は、これからの日本における重要な課題となるものである。ここでは既存のゆとりある環境の価値を損ねることなく、増築以前の風景を引き継ぎながら機能拡充が行われ、入居者の平穏で豊かな日常を支える空間として落ち着きのある環境が生み出されている。ソフトサービスのあり方も含め、ここで生まれる生活風景と新たな知見に期待したい。
大京は、「ライオンズスマートボックス」などで受賞
大京は、「ライオンズスマートボックス」など2件で受賞しています。「ライオンズスマートボックス」は、分譲マンションの各住戸玄関に設置する居住者専用の宅配ボックスです。居住者は従来型の宅配ボックスのように、マンションのエントランスまで足を運ぶ必要がなくなり、「置き配」での盗難や雨濡れなどの問題を解決できます。
ボックス内には3つの収納スペースを設け、クリーニング品や食品など種類の異なる複数の荷物にも対応できます。昨今の宅配便の増加に伴う再配達などの課題に対応するともに、居住者の利便性を高める取り組みが評価されました。
コスモスイニシア「イニシア三鷹」「イニシアテラス小竹向原」受賞
コスモスイニシアは、4プロジェクトが「2021年度グッドデザイン賞」を受賞しました。2002年度以来集合住宅部門で業界最長の20年連続の受賞となります。
「2021年度受賞プロジェクト一覧」
・「イニシア三鷹」・・・まちに開いた「まえにわ」と「塔状」の集合住宅で応答するようデザイン
・「イニシアテラス小竹向原」・・・ 隣り合う棟の間隔を保ち、共用通路に空を取り込む採光を確保。
・「ETOWA KASAMA」・・・既存公共施設の民間活用を通して、地域資源・人的リソースに着目。エリアブランディングを実現。
・「KARUIZAWA FOREST VILLA PROJECT」・・・明治33年に建造され老朽化した別荘を再生。
また、同社グループのコスモスモアが「株式会社リクルート KUDANZAKA SUSTAINABLE PROJECT」で、1960年に建てられたビルを最先端オフィスへ大規模リノベーション。新技術を取り入れ、これからの働く場の在り方を体現した注目のオフィスをデザイン。受賞しています。
タカラレーベン 「レーベン検見川浜 GRANVARDI」などで受賞
タカラレーベンは、「レーベン検見川浜 GRANVARDI」とマンション各住戸玄関一体型非対面宅配ボックス「スルタク」で受賞しています。「レーベン検見川浜 GRANVARDI」は、JR 京葉線「検見川浜」駅より東に約 160mの場所に位置し、線路沿いに東西約 200m、敷地面積約 6,600 ㎡を誇る全288邸の大規模マンション。
「多世代交流」をコンセプトに、子供からシニアまで楽しめる 10 種類の共用空間は、広すぎずちょうど良いスケール感で、将来の可変性も視野に入れて設計しています。
マンション各住戸玄関一体型非対面宅配ボックス「スルタク」は、マンション住戸に設置された玄関一体型の各住戸専用の宅配ボックス。不在による再配達の問題をはじめ、宅配・デリバリーをめぐる様々な課題を解消。外出時はスマートフォンで外部から配達受け取りが可能。宅配ボックスに住戸専有部からもアクセスできる設計で、昨今の状況下に適った非対面での受け取りも可能に。複数企業の技術を統合しながら問題を解決した意欲的な取り組み姿勢や、ユーザー視点に立った利便性の高いアイディアが評価されています。
モリモト シャープなコンクリート壁「ピアース目黒青葉台」が受賞
モリモトは、「ピアース目黒青葉台」で受賞している。シャープで美しいコンクリート壁面が印象的な計画。不整形な敷地に合理的なプランをおさめつつ、独特な形状を際立たせています。
相鉄不動産と伊藤忠都市開発 グレーシア横浜十日市場で受賞
相鉄不動産と伊藤忠都市開発は、「グレーシア横浜十日市場」のシェア共用部を活用したエリアマネジメントで受賞しています。
受賞した「まちのツールボックスとまち保育」は、SDGs未来都市・横浜「持続可能な住宅地推進プロジェクト(緑区十日市場町周辺地域)」における「十日市場センター地区22街区事業」に関し、中核となる全256戸の新築分譲マンション「グレーシア横浜十日市場」のシェア共用部を活用したエリアマネジメントです。
十日市場エリアでは、少子高齢化による地域コミュニティーの衰退や子どもの居場所や子育て世帯を支える機会の不足といった地域課題を抱えています。課題解決のため、身近な地域の多世代と交流をしながら、子どもの育ちを地域でフォローしていく「まち保育」をテーマに掲げ、マンションのラウンジやステージなどを「シェア共有部」として地域にひらくとともに、多世代がチャレンジしたいと想う、ものづくりや学びなどに必要な道具が揃った「まちのツールボックス」を整備しています。
これにより子どもも大人も、マンション住民も地域住民も、時間・空間・道具をシェアし、偶発的な出会いや活動が創造されていくことを目指しています。
阪急阪神不動産 「ジオ北千里藤白台」「ジオ文京春日」など受賞
阪急阪神不動産株式会社では、「ジオ北千里藤白台」(大阪府吹田市)及び「ジオ文京春日」(東京都文京区)並びに、分譲マンションの集約型収納空間である「STORAGEA(ストレージア)」について2021 年度グッドデザイン賞を受賞しています。
「ジオ北千里藤白台」では、従前から生活通路として利用されていた隣接する府営住宅との連絡通路を再生するとともに、地域に開かれた広場を設けることで、地域の既存コミュニティとの接続を図りました。また、敷地北側・東側の隣接する森のような緑と呼応する植栽・配棟計画を行い、緑と共に暮らす集合住宅を目指しましています。
旭化成不動産レジデンス、「アトラス荻窪大田黒公園」など受賞
旭化成不動産レジデンスでは、「宮益坂ビルディング」および「アトラス荻窪大田黒公園」が「2021年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
日本初の分譲マンションといわれる旧宮益坂ビルディングは1953年に竣工。当時、周辺建物が木造2階建てであった中、RC造11階建ての本建物は、「渋谷都市の文化的生活者のための最新設備を持つ日本初ハイグレード分譲マンション」でした。一方で、区分所有法制定前の建物であり専有部と共用部が別登記、さらに底地は東京都が所有等、老朽化により検討が続いた建替え計画が決定するまでの道のりは平坦ではありませんでした。
建物計画にあたっては、長きにわたり居住者により育まれた住まい方や、渋谷の街と時代の進化に合わせた多様な生活スタイルなど、旧宮益坂ビルディングが持つ独自の「世界観」を継承し『持続可能な住まい』を創ることを目指されました。
出入り口は、旧宮益坂ビルディングと同様にグランドレベルで宮益坂側の2か所に設置。新たに2021年渋谷駅直結の銀座線上部デッキが完成したことで、3階レベルでデッキ接続するエントランスも完成しました。ガラス主体の外観ファサードは、宮益坂風景を望む開放的な室内空間を形成するとともに、長年守られてきた並木を映しこみ、街と調和して風景に溶け込む佇まいとすることを目指しています。
以上、多くのプロジェクトが2021年のグッドデザイン賞を受賞しています。本サイトでは、2021年の受賞作を追記し紹介していきます。