虎ノ門の未来を拓く新たな中核拠点――「虎ノ門アルセアタワー」完成

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『虎ノ門アルセアタワー』のプレゼンテーション

次世代の国際都市機能を担う複合ビル「虎ノ門アルセアタワー」が2025年春に開業した。本事業は、総延床面積約266,100㎡にも及ぶ大規模な再開発プロジェクト「虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業」の中核をなすもの。既に開業している虎の門病院の隣接地に、地上38階建て高さ約180mの建物で、相次ぐ再開発で街が大きく変貌している虎ノ門・麻布台地区の新たなランドマークとなる。

『虎ノ門アルセアタワー』の外観

江戸の面影とともに蘇る地域の記憶
「アルセア」の名は、江戸時代にこの地に群生していたと伝わる花「タチアオイ(学名:Alcea)」に由来。浮世絵師・歌川広重が描いた「虎の門外あふひ坂」にも名残を残す歴史を受け継ぎ、都市と人の未来を花開かせる想いが込められている。

再開発事業のスタートは、2009年の地権者による再開発協議会発足。2030年度予定の事業終了まで次のように段階的に進められてきた。

Ⅰ期:旧病院・印刷局の解体、Ⅱ期:病院棟の新築、Ⅲ期:業務棟・アネックス棟建設、Ⅳ期(予定):共同通信会館解体・基盤整備(~2030年度完了予定)。本プロジェクトでは、都市再生機構が代表施行者となり、共同施行者としてKKR(国家公務員共済組合連合会)、特定業務代行者(民間事業者)として日鉄興和不動産のほか第一生命保険や九州旅客鉄道、大成建設などが名を連ねる。

オフィスフロアの面積は約110,800㎡、1フロアあたり3,300㎡超。天井高2.9mの開放感、非常時も継続可能な電力供給システム(非常用発電+コージェネ)など、官庁並の耐震・BCP性能を誇る。

プロジェクトの特長として、医療・生活支援含めた外国人対応機能の充実や虎の門病院との連携による国際水準の医療サービス、災害時における災害医療拠点として機能が図られ、は防災ヘリポートも整備されている。

ビジネスのサポート面では、会員制シェアオフィス「WAW」、貸会議室の整備、ウェルネス志向への対応としてジムなども用意されている。なお、日鉄興和不動産が運営する会員制シェアオフィス「WAW」は、日本橋・赤坂・神田・品川・上野・大宮ですでに開設されており、本物件で8件目となる。

『虎ノ門アルセアタワー』のシェアオフィス

オフィススペースは、フロア面積が広く、レイアウトしやすい。上下階で移動しやすいように階段を設けることも可能だ。最上階フロアに、大手自動車メーカーが入るなど既に約9割のスペースに申込みが入っている。1フロア以上借りる企業が多いとのことだ。

22階には、共用施設となるスカイロビーとスカイラウンジが用意されており、昼食や打ち合わせスペースとしても活用が可能。見晴らしも良好だった。

『虎ノ門アルセアタワー』の22階スカイラウンジ開発地内には、広場などが整備され、赤坂・虎ノ門間をつなぐ緑道の整備や、交差点改良・広場創出により歩行者ネットワークを強化。潤いを感じる都市空間の姿は、虎ノ門が行政、医療、ビジネス、国際交流の要として進化し続けていることを改めて実感した。