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令和6年地価公示発表!首都圏住宅地上昇率1位、流山おおたかの森

流山おおたかの森(出典 流山市HP) ニュース&トピックス
流山おおたかの森(出典 流山市HP)

令和6年地価公示が発表されました。地価公示とは、土地鑑定委員会が毎年1回標準地の正常な価格を公示するもの。一般の土地の取引価格に対して指標を与え適正な地価の形成に寄与することを目的としています。今回の地価公示では、コロナ禍が収まりインバウンド需要の拡大など経済活動が復活する中で不動産需要が全国的に高まっていることを示しています。令和6年地価公示で見られた傾向を紹介します。

 

関連記事 2024年9月19日掲載

令和6年都道府県地価調査 3年連続上昇

全国平均は、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続上昇

まず全国の状況ですが全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇し、上昇率が拡大。住宅地平均が前年の-0.2%から0%の横ばいに、商業地平均が前年の+0.9%から+1.4%と上昇しています。

東京圏では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇し、上昇率も拡大。全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏・地方圏ともに上昇が継続するとともに、三大都市圏では上昇率が拡大し、地方圏でも上昇率が拡大傾向となるなど、上昇基調を強めています。

都道府県別地価変動率(住宅地)

都道府県別地価変動率(住宅地)

住宅地の圏域別では、東京圏の平均変動率は 3.4%と3年連続で上昇し、上昇率が拡大。大阪圏の平均変動率は 1.5%と3年連続で上昇し、上昇率が拡大。名古屋圏の平均変動率は 2.8%と3年連続で上昇し、上昇率が拡大。地方圏のうち、地方四市の平均変動率は 7.0%と 11 年連続の上昇。地方四市を除くその他の地域の平均変動率は 0.6%と2年連続で上昇し、上昇率が拡大。

住宅地の地価動向の特徴としては、都市中心部や、利便性・住環境に優れた地域などでは住宅需要は堅調であり、地価上昇が継続。三大都市圏や地方四市の中心部における地価上昇に伴い、周辺部においても上昇の範囲が拡大しており、特に地方四市の周辺の市等では、高い上昇となった地点が見られます。鉄道新路線等の開業による交通利便性の向上などを受け、上昇率が拡大した地点が見られる。外国人にも人気の高いリゾート地では、別荘やコンドミニアムなどの需要が増大し、高い上昇となった地点が見られます。

 

都道府県別地価変動率(商業地)

都道府県別地価変動率(商業地)

商業地の圏域別では、東京圏の平均変動率は 5.6%と3年連続で上昇し、上昇率が拡大。大阪圏の平均変動率は 5.1%と2年連続で上昇し、上昇率が拡大。名古屋圏の平均変動率は 4.3%と3年連続で上昇し、上昇率が拡大。地方圏のうち、地方四市の平均変動率は 9.2%と 11 年連続で上昇し、上昇率が拡大。地方四市を除くその他の地域の平均変動率は 0.6%と2年連続で上昇し、上昇率が拡大となっています。

商業地の地価動向の傾向としては、都市部を中心に、人流回復を受けて店舗需要の回復傾向が続いたほか、オフィス需要も底堅く推移したことなどから、地価の回復傾向が進んでいます。また、再開発事業等が進展している地域では、利便性や賑わいの向上への期待感などから、地価上昇が継続しています。さらに、インバウンドを含めた観光客が回復した観光地や、人流回復が進む繁華街では、地価の大幅な回復が見られます。都市中心部の交通利便性等に優れた地域では、マンション需要との競合により、高い上昇となった地点が見られます。

変動率上位順位表(全国)

変動率上位順位表(全国)

そのほか、熊本県や北海道千歳市など大手半導体メーカーの工場が進出する地域では、関連企業も含めた従業員向けの住宅用地等の需要のほか、関連企業の事務所用地等の需要も旺盛となっており、住宅地、商業地、工業地ともに高い上昇となっています。また、eコマース市場の拡大を背景に、大型物流施設用地等に対する需要が旺盛となっており、高速道路等へのアクセスが良好な工業地では、高い上昇となった地点が見られます。いっぽうで、地方部を中心に、人口減少の進展などにより、引き続き地価が弱含んでいる地点があります。

東京圏 住宅地は、流山市が上位に

東京圏・住宅地の変動率上位は、流山市がが6位までを独占。流山市おおたかの森が1位になっています。次いで、市川市が続き都心アクセスの良い千葉県内が上位にランクインしました。

変動率上位順位表(東京圏 住宅地)

変動率上位順位表(東京圏 住宅地)

東京圏・商業地は、トップが千葉県美浜区豊砂。幕張豊砂の開業効果があったようです。また、2位は、横浜市西区みなとみらい。こちらは、Kアリーナ横浜開業など新スポット誕生で注目を集めている場所です。3位は、台東区西浅草でインバウンド需要の回復で浅草は多くの観光客でにぎわっています。大阪府の道頓堀や長野県の白馬村などインバウンド需要の回復は他エリアでの地価上昇にも表れています。

変動率上位順位表(東京圏 商業地)

変動率上位順位表(東京圏 商業地)

 

 

東京23区では、住宅地は中央区 商業地は台東区が上昇率トップ

勝どきエリアのタワーマンション群(筆者撮影)

勝どきエリアのタワーマンション群(筆者撮影)

東京23区では、住宅地が5.4%上昇と前年の3.4%上昇を上回る高い伸び。商業地は、7.0%上昇で前年の3.6%の伸びを大きく上回っています。住宅地の伸び率のトップは、豊島区の7.8%。次いで、中央区の7.5%、目黒区の7.3%が続きます。港区7.2%、品川区7.0%、渋谷区7.0%と都心エリアの住宅地は伸びが大きくなっています。

令和6年地価公示 東京23区の住宅地・商業地の変動率

令和6年地価公示 東京23区の住宅地・商業地の変動率

また、商業地では台東区の9.1%が伸び率トップ。次いで荒川区が8.3%、中野区が8.2%で続きます。杉並区、豊島区も8%となっており都心近郊のエリアの上昇が目立ちます。

インバウンド需要の回復からホテル用地のニーズが高まっておりマンション用地との競合が都市部では激しくなっています。用地の取得から事業化までには概ね1~2年程度かかりますから建築費が高止まりする中、少なくとも2年後までは原価ベースで考えるとマンション価格は上昇しそうです。