開幕日に見学。『まだ間に合う! 首都圏からも行くべき。大阪・関西万博を楽しもう。』

マンション探訪記
大屋根リング(筆者撮影)

4月13日に始まった大阪・関西万博も10月13日の閉幕に向けて、残り2カ月余りとなりました。当初に不安視された、入場チケットの売れ行きも、観覧者の満足度の高さからリピーターが続出。8月6日時点での入場者数は、1500万人を突破しています。心配されてた収支もプラスになりそうです。

筆者も8月中の再訪を計画している一人。最初に訪ねたのは、開幕日の4月13日。夕方からの訪問で、帰宅客が駅で混み合うなどしていましたが、2日目、3日目は空いていてじっくり見学できました。

地域別の来場者は、近畿圏からの割合が約3分の2を占め、関東からは約6分の1。まだまだ、見学してない人も東京や神奈川、埼玉、千葉には多くいます。

大阪万博会場内(筆者撮影)

開幕日から3日間、万博会場を訪ねた率直な感想は、『これだけのコンテンツが4千円で楽しめるなんて、とってもお得』。開幕日から4月26日まで4千円だった入場料金は、今は平日6千円になりましたが、それでも安いと思います。

今回は、筆者が3日間(実際は、初日の夕方から3日目の夕方までのまる2日間)、見学して感じた万博の楽しめるポイントを見学する際に留意すべきポイントを紹介します。

会場のシンボル、大屋根リングのスケールとリングの上からの景色がすごい

会場を訪ねて圧倒されるのが、万博会場のシンボル「大屋根リング」のスケールとそこからの景色。「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を表す大阪・関西万博会場のシンボルとなる建築物です。

1周およそ2キロ、高さおよそ20メートルで、世界最大の木造建築物として、ギネス世界記録にも認定されています。設計者は、万博会場のデザインプロデューサーも務めている建築家の藤本壮介氏。北海道生まれで、武蔵野美術大学美術館・図書館をはじめ、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地でさまざまなプロジェクトに携わっています。

大阪万博会場(筆者撮影)

ギネス記録に認定されている通り、見たことのない圧巻のスケール。大屋根リングの下は空洞になっていて、会場をつなぐ動線にもなっています。また、リングの上にも路がありエレベーターやエスカレーターで地上と空中を結んでいます。万博のパビリオンの建物はどれも個性的で、外観デザインも魅力の一つなのですが、大屋根リングの上からは建物を一望にできます。さらに、水上ショーが行われるウォータープラザや花火なども眺められるので、イベントを楽しむスポットにもなっています。

万博会場の花火

構想段階から何回もスケッチをつくり、もともとは陸上部分だけで考えていたリングを水上にも持ってくることで、変化があり美しいこの場所ならではの景観が楽しめます。柱の中央部に開口をあけて梁を差し込む伝統工法「貫接合」を採用。スギ、ヒノキなどの国産材などが使われており3つの工区で施工方法も異なります。

リングの下の空間は、風通しが良く日よけにもなっており、その高さに圧倒されます。大屋根リングの上下を歩いて回るだけでも、万博の良さを実感できるでしょう。

EXPOホールをはじめ建築家の建物に驚嘆 若手建築家のトイレや休憩所も

大阪・関西万博の会場内の建物も驚きの連続。東ゲート近くのEXPOホールは、プリツカー賞の受賞者でもある建築家の伊東豊雄氏の設計によるもの。金色に輝く円形の大屋根で「シャインハット」の愛称で親しまれています。

組子ファサードが印象的な永山祐子氏設計のウーマンズ・パビリオン、隈研吾氏の設計で小山薫堂氏のプロデュース、EARTH MARTなどパビリオンの外観を見て回るだけでも楽しい。日建設計や三菱地所設計といった大手設計会社も建物の設計に関わっています。

休憩所4

さらに若手建築家20組が休憩所、イベントスペース、トイレやなどの共用施設を設計。コンペによって約300組の中から選ばれた20組。1980年以降に生まれていることがコンペの参加要件にあり、仮設ならではの建築に挑戦していて、どれもユニーク。港区にあるTOTOギャラリー・間では、『新しい建築の当事者たち』というタイトルで、20組の模型や建築の流れなどが展示されています。

「新しい建築の当事者たち」展の会場

「新しい建築の当事者たち」展の会場の展示

西ゲートの米澤隆氏によるトイレ5は、カラフルなユニットの組合せで、閉幕後は分解して移設の構想も。佐々木慧氏によるポップアップステージ北の広場では、未加工の丸太材を利用。ワイヤーロープで丸太材が浮かぶ不思議な空間で丸太材は、再利用される見込み。休憩所やトイレを回るだけでも建築を楽しめる場所になっています。

人気パビリオン意外にも訪ねたいスポット それはコモンズ!

筆者は、後半の混雑を見越して2日目、3日目という最も来場者が少なかった日に会場を訪ねたおかけで、まる2日間で30以上のパビリオンを見学できた。特に印象に残っているのが、「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」。筆者は、1967年生まれの最初のガンダム世代だがリアリティのあるストーリーの設定もあってショーを楽しめました。

スペイン館

いのちの未来やnull²は、もちろん驚いたしアメリカ館やフランス館、サウジアラビア館なども国の特徴が表現されていて大人も十分見ごたえがある。アゼルバイジャンやインドネシアも良かったです。人気パビリオンは、事前予約で当選するのが難しくなっています。人気パビリオンは避けてチョイスしたほうが良いかもしれません。一つ選ぶなら未来の都市がおすすめです。交通や街づくりなどの展示が多く、1時間では足りないかもしれません。

抽選が当たらなかった人は、アメリカ館などに朝一から並ぶか行き先を絞って回ることになるでしょう。その中で、おすすめなのがコモンズ。A~Dの4館がありパビリオンに出展していない国の展示が見て回れます。スタッフは、在日の出身国の人が応接している場合が多いのでちょっとした海外旅行気分が味わえます。ほんとに世界って広いなーと実感できます。

では、4つの予約枠を再度整理。

・2カ月前抽選 入場日の2ヵ月前に行なわれる予約枠で最も当たりやすい。1日で1回使える。・7日前抽選  入場日の7日前に抽選する予約枠。人気パビリオンは、競争が激しい可能性大。当たりやすいパビリオンを入れるのも作戦。・4日前先着。先着順なので人気パビリオンの確保は、難しい。・当日予約。ゲートを抜けて5分後に予約開始なので、朝早く並ぶことが大切。9時開門だが、余裕を見て1時間以上前には並びたい。複数人で場所が分かるなら、並んでいる間にトイレに行くのはOK。1日複数回使えるが、1回目の見学が終わらないと予約できないのがポイント

事前の準備はしっかりと 日除けや水分補給、充電器と地図は必須

・水と飲食は、持ち込み可能。駅の自販機は混むので着く前に、水分の準備を
・暑いので帽子は必須。扇風機や冷却シートもあったほうが良い。
・地図は、中でも売っているが混むので準備。ネットだとわかりにくい。
(コピーして複数枚持っていくと便利)
・天候次第で雨具も準備
・お金は使えないので、キャッシュレスの準備。交通系は、チャージを忘れずに
・食事は、中でも取れるがおにぎりなどがあったほうが良い。(中にコンビニあり)
・充電器は必須。携帯でチケット表示なので、持参したい。

・トイレは、十分あるが、表示がなくわかりにくい。地図でよく確認。
・土産物は、ゲートの近くの売店。かなり混んでいることも。
・大屋根リングの下に、自販機やトイレがある。日よけにもなるので動線としての活用も
・ベンチなど座るところは、少ないのでしっかり休憩を

 

とにかく、建築の好きな人にとっては、発見の宝庫。会場を見て回るだけでも6千円の価値はあると思います。東京からなかなか足を運びにくい距離ですが、来年にはもう見えない景色。時間を作って訪ねて見てはいかがでしょうか。