垂水中央東地区市街地再開発組合と、参加組合員として参画している野村不動産株式会社が事業推進している「垂水中央東地区第一種市街地再開発事業」が、2019 年 7 月都市計画決定、2020 年 8 月組合設立認可、2022 年9 月権利変換計画認可を経て、2023 年 10 月 3 日起工式を執り行い、新築工事が着工しました。竣工は 2026 年 3 月予定となっています。垂水区の玄関口である垂水駅前という立地に相応しいランドマークの形成、及び複合再開発による賑わい溢れるまちづくりがスタートする。
立地特性
本地区はJR垂水駅・山陽垂水駅の北側約0.7haの区域で、北側が垂水センター街商店街、東側が銀座通り商店街、西側が一番街通り商店街に面している。駅に近接するため交通利便性が高く、人通りが多い賑わいのある街並みである一方で、周辺にまとまったオープンスペースがなく、木造老朽家屋が市場を中心に密集していることから、防災面での問題があり、商業等の活性化や居住環境の改善といった両面の課題を抱えていた。
再開発事業を通じて、災害に強いまちづくりとして当該計画地の南西側に広場を設けるとともに、商業・生活利便施設の整備や駅前居住機能の集積・整備などにより地域の活性化や防災機能の強化など都市機能の更新が行われる。また同時に、壁面後退や広場・緑地の新設などにより、安全で快適、かつ、ゆとりと潤いに満ちた魅力ある歩行者空間の形成が図られる。
本事業の特徴
◆地域の顔となる施設づくり
地上32階建ての複合施設を計画。住宅棟の周囲に個性溢置れる商業施設を配置。また、敷地南側の貫通通路や、敷地北東・南西角に配置した滞留広場により、隣接する商店街等への回遊性向上や滞留空間の創出を図り、垂水の新たなランドマークとなる施設づくりを目指す。
◆防災と自然とが融合した街づくり
株式会社竹中工務店設計・施工による「免震構造」を採用し、受変電設備や非常用発電機室、受水槽は2階以上に配置し、防災備蓄倉庫を10フロア毎に完備することで、安心・安全な街・住まいづくりに貢献。また、敷地の南西側には地域に開かれた広場を設け、日常の賑わい創出に留まらず、災害時の一時滞在場所としての活用だけではなく日常的にも地域に開かれた賑わい創出に寄与。さらに、敷地沿道には高さ8~10mの高木を列植し、自然と緑と溢れる潤いのあるまちづくりに配慮する。
◆垂水活性化プラン~生まれ変わる海辺のまち~
2019年9月から、まちの質・くらしの質を一層高めることで、都市ブランドの向上と人口誘引につなげるプロジェクトとして神戸市による「リノベーション・神戸」がスタート。2019年12月には、まちの「顔」となる駅前を心おどる空間へと変えていくため、「リノベーション・神戸(第2弾)~見違えるような神戸へ~」が公表され、垂水駅周辺の公共公益施設の再配置を進めつつ垂水駅前がどのように生まれ変わっていくのかが示されており、本事業も位置付けられている。
出典:神戸市HP「垂水活性化プラン ~生まれ変わる海辺のまち~
https://www.city.kobe.lg.jp/j39681/kuyakusho/tarumiku/keikaku/ekimaesaihaichi.html
まちづくりの経緯と今後のスケジュール
2010年6月 :垂水駅前中央地区市街地再開発準備組合設立
2019年7月 :都市計画決定告示
2020年8月 :垂水中央東地区市街地再開発組合設立
2022年9月 :権利変換計画認可
2023年10月 :施設建築物工事着手
2026年3月 :施設建築物竣工(予定)※引渡し:5月以降予定
計画概要
事業名称 :垂水中央東地区第一種市街地再開発事業
施行者 :垂水中央東地区市街地再開発組合
所在地 :兵庫県神戸市垂水区神田町 159 番(地番)
施行区域面積 :約 0.7ha
構造・規模 :鉄筋コンクリート造 32 階建(一部鉄骨造)
主要用途 :住宅・商業
事業コンサルタント :株式会社都市設計連合
参加組合員(住宅分譲者): 野村不動産株式会社
特定業務代行者(設計・施工・監理) :株式会社竹中工務店
商業コンサルタント: 野村不動産コマース株式会社
編集メモ
神戸市の人口は、この10年間において減少トレンドが続いており街の活性化が、課題となっている。また、垂水駅前のように木造密集地域もあり防災強化も重要項目。垂水は、筆者が学生時代に塾講師のアルバイトで通っていたところ。新たなにぎわいで更に魅力ある街へと変化することを期待したい。