東京建物株式会社は、再開発組合の一員として、権利者や地域と共に「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業(A地区・B地区)を推進する街区名称を「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」に決定。建物名称についてA地区を「TOFROM YAESU THE FRONT(トフロム ヤエス ザ フロント)」、B地区を「TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス タワー)」とすることを発表した。
TOFROM YAESUは、東京駅八重洲中央口前で推進中の大規模複合再開発事業。東京駅に直結し、2026年の竣工を予定している。国家戦略特区に指定されており、オフィス、医療施設、劇場・カンファレンス施設、バスターミナル、商業施設、住宅等を整備。国際都市東京の玄関口にふさわしい都市機能の強化と国際競争力の向上に貢献する。
「TOFROM」は英語の「TO」と「FROM」を組み合わせた造語で、日本中、ひいては世界中のヒト・モノ・コトがここに集まってつながり、ここから多様な価値が生み出され、発信されていく場所になってほしいという思いが込められている。
ワーカーのウェルビーイング向上をオフィス全体でサポート
国の政策の方向性を示す「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2024」では、中長期のビジョンの1つとして「誰もが活躍できるウェルビーイングの高い社会の実現」が盛り込まれるなど、
日本全体の成長戦略の重要課題の一つとしてウェルビーイングが位置付けられている。
個人のウェルビーイング向上が、企業の成長にもつながり、社会全体へ波及するものと結論。TOFROM YAESUからこのような好循環を社会全体に創出する。
① リフレッシュ空間「YAESU SKY LOUNGE」
東京湾を一望でき、地上約190mながら多彩な緑に囲まれた心地よい空間。心身ともにリフレッシュできる「YAESU SKY LOUNGE」をTOFROM YAESU TOWER 41階に整備。個室空間「RE:TREAT Room (リトリートルーム)powered by Upmind」では、全国の源泉を凝縮抽出・モバイル化するクラフト温泉の特許技術を持つ株式会社LeFuroと協業し、温泉ミストによる湯治体験が気軽にできる「喫泉室」として利用。国内最大のマインドフルネスアプリを手掛けるUpmind株式会社が監修・運用する瞑想・仮眠プログラムも提供される。
② ウェルビーイングフロア「Wab.」
入居企業のワーカー向けのサポート機能を持つ共用スペースであるウェルビーイングフロア「Wab.」をTOFROM YAESU TOWER13階に整備。産地、生産者、素材、調理方法などにこだわったおいしく身体にも良い食を通じてワーカーの生き生きとした生活をサポートする食堂・カフェ&バー・ビュッフェカウンターを設置。サードプレイスとして多様な過ごし方を選択できるラウンジ空間で、コミュニケーションの促進に寄与するイベントキッチンやイベントスペース、緑化やアート・お茶に特化した会議室、脳科学で実証された音楽と映像による刺激で集中・リラックスできる個室ブース、パウダールームや搾乳室などの機能性と気持ちの再スタートを支援する空間デザインを持つトイレ、季節感を感じられ気分の切り替えを促すエレベーターホールなど、ウェルビーイング向上に資する多彩な取り組みを提供。
・ 免疫ケアフードメニューの提供
(キリンホールディングス株式会社、中央フードサービス株式会社)
・ お茶を通じたワーカーのウェルビーイング向上支援サービス「オフィスで茶の間」の提供
(株式会社Tea Room、secca inc.)
・ 環境再生型農業により生産された地球にも人にも優しい食材の提供および生産者との繋がりの創出
(株式会社ベジリンク、株式会社BG)
・ ハーバード大学発、キッチンで学ぶ生活習慣改善プログラム
(株式会社キャンサースキャン)
③ 東京駅を眼下に望む「Rooftop Terrace」
東京駅のパノラマビューが眼下に広がり、オープンエアの開放感を感じてリフレッシュできるほか、
アフターワークではコミュケーションを促進するスペースとしての利用も想定している「Rooftop Terrace」をTOFROM YAESU THE FRONTの屋上階に整備。
④ ハイグレードフレキシブルオフィス「EXEVIA TOKYO YAESU」
東京建物グループのエキスパートオフィス株式会社が運営するハイグレードフレキシブルオフィス「EXEVIA TOKYO YAESU(エグゼビア トウキョウ ヤエス)」をTOFROM YAESU TOWER 10・41階に整備。短期でも利用可能なレンタルオフィス・セットアップオフィスを設け、ラウンジやバリエーション豊富な会議室に加え、コワーキングスペースや個室ブースなども用意。TOFROM YAESU TOWERのオフィス共用施設としての機能も有する。
2. 国際都市東京の玄関口にふさわしい都市機能の強化
① 医療施設(日本医科大学八重洲健診ステーション)
「日本医科大学八重洲健診ステーション」をTOFROM YAESU TOWER 6・7階に整備。FDG-PETによるがんの早期発見やβアミロイドPETによるアルツハイマー病診断をはじめ、先進機器の導入・専門医の登用により精度の高い病変検出・疾病の発見を行い、日本医科大学付属病院(東京都文京区)との連携による高度医療サービスの提供、外国語対応や災害時の医療連携など、社会のニーズと未来を見据えた医療施設。レディース健診部門も備え、幅広い世代に定期的な健診受診を促し、ウェルビーイングをサポートする充実した医療を提供する。
② 劇場・カンファレンス施設
ぴあ株式会社、株式会社コングレが運営する劇場・カンファレンス施設をTOFROM YAESU TOWER 3~6階に整備。約800名収容可能な東京駅前初の段床型劇場や、大型の展示会・講演会等を実施可能な平土間ホール、各種会議・交流イベントが実施できる会議室を完備。演劇・ミュージカル・音楽ライブ等の催事を誘致し、東京駅周辺エリアで不足していたエンタテインメントを通じた文化発信拠点を整備するとともに、MICE(国際会議、展示会・イベント、講演会、セミナー等の催事)を誘致することで、YNKエリアのビジネス交流機能のさらなる拡充に取り組む。
③ バスターミナル(バスターミナル東京八重洲)
TOFROM YAESU TOWER地下階には、UR都市機構が一体で整備する「バスターミナル東京八重洲」の第2期エリアが整備され、国際空港や地方都市を結ぶ高速バスが発着。第3期エリアの開業後には本プロジェクトを含む東京駅前の3つの再開発事業※2の地下空間は、国内最大級の高速バスターミナル(3エリア合計で20バース)となり、交通結節機能の強化に貢献する。
3.東京駅と直結し、まちに人を誘引する商業施設
個性がつながり、新しきが生まれる、「東京ならでは」を発信する商業施設を整備。江戸から続く八重洲の多様な食文化を継承するとともに、最先端が重なり合いながら、「八重洲ならでは」のにぎわいが溢れ、個性豊かな飲食店舗を中心に約70店舗がオープン予定。TOFROM YAESU TOWER 1階には、屋内広場「檜物町スクエア(ひものちょうスクエア)」を整備し、まちのにぎわいに貢献する。
編集付記 2025年3月3日の発表会時点で、10万㎡あるオフィスの約6割に申込みが入っているという。東京建物は、開業時点で6割~7割の入居を目標としており既に達成している状況にあるという。先般取材した「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」も共用スペースを充実させ既存のオフィスとの差別化を図っていたが、本件もそうした点は、評価されているようだ。2030年にかけて東京駅周辺は、相次いで超高層ビルが竣工しかつてないほどのオフィス空間が誕生する。良い意味で、競争が激化すれば、ビジネスパーソンの職場環境は大きく改善するかもしれない。