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令和元年都道府県地価調査 商業地上昇率トップは浅草公会堂近く

丸の内に誕生したラグビー神社 マーケット情報
丸の内に誕生したラグビー神社

令和元年都道府県地価調査による基準地価が国土交通省から発表されました。前年比で、0.4%の上昇となり三大都市圏以外の地方圏でも商業地が平成3年以来28年ぶりに上昇に転じるなど、全国的に地価の回復傾向が広がっています。

背景として、景気回復、雇用・所得環境の改善、低金利環境の下で交通利便性等に優れた地域を中心に住宅需要が堅調であること、オフィス市場の活況、外国人観光客等の増加による店舗・ホテル需要の高まりや再開発事業等の進展を背景に需要が拡大していることなどが挙げられます。

基準地価・・・各都道府県内から選んだその年の7月1日時点の基準地の標準価格のこと。国土利用計画法に基づいて都道府県などがまとめて発表する。公示地価が都市計画区域内を主な対象とするのに対し、基準地価は都市計画区域外の住宅地、商業地、工業地、宅地ではない林地なども含むため、平均的な地価動向に違いが生じます。

今回は、首都圏の商業地についての動向を紹介します。商業地の上昇率の上位を見ると、都心5区中心だった上昇が都心近郊や郊外へも広がっているのがわかります。

浅草一丁目が34.5%上昇 横浜や市川、船橋なども大きく上昇

令和元年都道府県地価調査 商業地の上昇率順位表(首都圏)

令和元年都道府県地価調査 商業地の上昇率順位表(首都圏)

2019年の地価公示に続き、令和元年の基準地価でも台東区浅草がトップです。2020年を控えて全国的に訪日外国人旅行客が増加。台東区がトップ10に3地点入っているのも好調な観光需要が一因です。

浅草の雷門前

浅草の雷門前

浅草を訪ねると、ワールドカップラグビーの開幕日ということもあり平日にもかかわらず欧米系の外国人の姿を多く目にしました。伝法院通りでは浴衣姿の外国人が記念撮影をしています。

浅草の伝法院通り

浅草の伝法院通り

浅草は、外国人が東京で訪ねたい場所3位にもなっていて多くの観光客が足を運んでいます。

基準地価上昇率が首都圏商業地トップだった浅草1丁目界隈

基準地価上昇率が首都圏商業地トップだった浅草1丁目界隈 奥が伝法院通りにつながっている

基準地価の上昇率が1位だった浅草一丁目の基準地は、浅草公会堂の手前で奥に進むと伝法院通り、手前には新仲見世の商店街が広がるオレンジ通り沿い。人の往来もある場所で地価上昇率の高さも納得の場所です。

浅草の繁華街

浅草の繁華街

近年、この界隈ではドンキホーテの入る商業ビルや「まるごとにっぽん館」が入るホテルなどが相次いでオープン。商業利便性や繁華性がさらに高まってきています。

浅草のホテル

浅草のホテル

ホテルのフロントの方に話を聞くと、ワールドカップ期間中の11月頃まではほぼ予約が一杯とのこと。空きは数室程度で、約8割程度が外国人とのことでした。

国際通りの街並み。浅草ビューホテルの並びにもホテルがオープン

国際通りの街並み。浅草ビューホテルの並びにもホテルがオープン

街を歩くと、2020年に向けてホテルの建設が複数個所で進行中です。観光コンテンツの豊富な浅草ですから、駅周辺部のホテルの建設ニーズは相変わらず強いようです。

また、商業地の上昇率上位のランキングを見ると、横浜や市川、船橋なども上位にランキングされています。駅利用者数の多い郊外の商業地も地価上昇が顕著になってきています。

一方で、価格順位全国一位の東京都中央区の『銀座2-6-7』は、上昇率が3.1%。バブル期の水準を超える過去最高価格は更新しているものの上昇率はやや鈍化してきています。

全国で見ると、北海道の倶知安町(66.7%)や沖縄県の那覇市(50.3%)、大阪府の中央区(45.2%)など40%を超える場所もあります。グローバルなマーケットに組み込まれたエリアは今後も地価変動の波は大きくなっていくのではないかと思われます。

日本政府観光客発表の2019年8月度の訪日外国人客数は、韓国市場の減速要因もあって前年比2.2%の減少と11カ月ぶりに前年比減少となっていますが、中国、台湾、米国など15市場で8月としての過去最高を記録。堅調さは維持しているようです。

日本は、既に人口減少トレンドに入っていますが世界的に見れば人口増加、経済成長、海外旅行客増加のトレンドです。地価トレンドを見る際には、この点を押さえて考える必要があります。

【編集後記】

先日、日本で働いて20年を超える福建省出身の中国人の方と話す機会がありました。その方が仰るには、中国に比べて日本は景色の良い場所が豊富にあると。筆者もアジア10数か国を訪ねたことがありますが、海山に囲まれた日本は景色が良いところが豊富だなあと旅先で改めて気づきました。

直島から見た瀬戸内海の景色

直島から見た瀬戸内海の景色

香川県の直島を訪ねた際はあまりの外国人の多さに驚きましたが、日本人が気づいていない魅力はまだまだあるのかも知れませんね。