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三井不動産レジデンシャルが挑戦する「住まい探しのシン常識」 日曜日を休みに

「三井のすまい池袋サロン」 ニュース&トピックス
「三井のすまい池袋サロン」

12月5日、三井不動産グループの住宅事業を担うデベロッパーである三井不動産レジデンシャルから顧客時間を創出する「住まい探しのシン常識」についての報告会がありました。同社の取り組みについて紹介します。

 

2023年グッドデザイン賞受賞の「ファインコート新百合ヶ丘グランレガシー」

2023年グッドデザイン賞受賞の「ファインコート新百合ヶ丘グランレガシー」

同社の取り組みの背景として社会環境の変化が挙げられます。2022年には、共働き世帯が専業主婦世帯の約3倍になるなど社会環境は変化。新築マンション契約者における共働き世帯も20年前との比較で約1.6倍に、新築マンション購入層の平均世帯年収は、2008年の737万円から2022年には1034万へと大きく上昇しました(ともに株式会社リクルート調べ)。

また、家事・育児については、「子供に対しての時間が取れない」「家事に対しての時間が取れない」といった共働き夫婦の声もあがっており「自由な時間」が欲しいと答える女性は、76.4%にも上ります(出典 P&Gジャパン合同会社 2018年8月22日プレスリリース)。

三井不動産レジデンシャルの首都圏新築マンション契約者の年収は1.26倍に

同社のデータによれば、首都圏新築マンション契約者は、2018年度に比べ2023年度上期は平均世帯年収は、約1.26倍に。20代、30代に限っても約1.16倍にアップしているようです。2023年度上期契約者に占める20代・30代の比率は、51%(価格1.5億未満のマンション)に上ります。こうした背景から、日々忙しい顧客の時間創出を目指すとのことです。

具体的には、デジタル化を進めることで販売センターの来場回数・時間を削減。ウェブセミナーやオンライン個別商談、商談ツール共有を図ります。例えば、オンライン即時の問い合わせ(営業時間内のみ)、オンライン申込などを進めていきます。

時間創出のための新たなテクノロジーも活用。例えば、サングラス型のデバイスを活用することで物件の周辺環境の案内をオンライン化。映像を提供することで、自宅から物件周辺を見学することができます。

モデルルームでも新しい体験価値を付加。「三井のすまい 池袋サロン」において、約7mの3面LEDビジョンを壁・床に配置しVRモデルルームを投影。部屋ごとに眺望なども確認できます。

三井不動産レジデンシャルでは、「オンラン専門チーム」を組成し「営業イノベーション部」を新設。こうした取り組みをさらに深化させていく方針です。

顧客の多様化に合わせ働き方を多様化 日曜日定休をトライアルで実施中

社会環境の変化やコロナ禍を経て、顧客のニーズも多様化しているとのこと。顧客のメインとなる20代・30代のミレニアム世代・Z世代の価値観も様々です。

三井不動産レジデンシャルでは、顧客の多様化に応える方策として同社や同社社員の多様化がニーズに応える手段と捉えています。その一つの方法として現在、トライアルで行っているのが新築分譲マンション・戸建ての販売拠点の日曜日定休です。

実施の背景にあるのが、同社や院の「女性総合職比率増加」と「共働き世帯の増加」。2023年時点の50代の女性比率は、3%。20代の女性比率は45%にも上ります。10年後には、現在19%である30代の女性比率も49%に、20代の女性比率が48%になる見込み。共働き比率も高まる中で、働き方の変化が求められています。

2022年と2023年に実施した都心マンションでのトライアル結果は、日曜・月曜定休とし、混雑しやすい第1期販売時を除くようにした2023年は、顧客満足が低下せず販売も堅調に推移したとのこと。社員からは、好評で20代・30代中心に導入したいとする意見が多かったようです。

三井不動産レジデンシャルでは、この結果をうけて2024年には対象物件をさらに拡大するとのこと。人気物件を数多く提供する同社の取り組みだけに今後の新築マンションの販売にも影響が出そうです。

 

少量多種のニーズにどう応えていくかが、事業の発展に結びつくと捉え、社員の働き方も促す三井不動産レジデンシャルの今回の取り組み。不動産業界の働き方にも影響を及ぼすかもしれません。強調されていたのが、デジタル化によって満足度が下がっては意味がないということ。顧客満足度のアップと社員の働き方の改善の両立は、目指すべきでしょう。今後の動向に注目したいと思います。