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「ザ・パークハウス 武蔵小杉タワーズ」発表 

野村不動産 2023年入社式祝辞全文 「人的資本経営」を目指す

「プラウドタワー川口クロス」の外観 ニュース&トピックス
「プラウドタワー川口クロス」の外観

2023年4月3日、多くの企業で入社式が行われました。入社にあたって、新入社員に対して各企業の代表者が祝辞を贈っています。そのなかで、目に留まった野村不動産ホールディングス株式会社 代表取締役社長 グループCEO 新井聡氏の言葉を紹介します。

人材を大事な「資本」として大切にしていく 「心の持ち方を大切に」

以下、2023年入社式祝辞

野村不動産グループに入社された 304 名の皆さん、誠におめでとうございます。皆さんが社会人という人生における新しいステージに入られたことに対して心よりお祝い申し上げます。また、皆さんのここまでの成長を支えていただいたご家族をはじめとする方々に対して、皆さんと一緒に深く感謝申し上げたいと思います。

皆さんの入社にあたり、私は皆さんにお約束したいことがあります。それは、当社グループがしっかりと「人的資本経営」に取り組み、皆さんのような人材を大事な「資本」として大切にし
て行くということです。人的資本経営とは、組織に属する人材に投資して、個人が持つスキルや能力を伸ばし、それを生産性の向上や組織の成長に繋げていこうとする経営です。人には「心」がありますので、働く人の心の状態や職場の人間関係等によってパフォーマンスが大きく変わるということも踏まえたうえで、皆さんが能力を伸ばし、自らの生産性を高めていけるように社内環境を整えていくことをお約束します。

一方で、皆さんにお願いしたいことがあります。皆さんを「資本」として大切にすると申しましたが、これは、単に働きやすい職場を用意して優しく扱うということではありません。個々の人材が最大価値を生み出すことができるように、グループとしてしっかりと投資していく、つまり一人一人が能力を伸ばせる機会を組織として提供していくということです。例えば、日ごろの業務においては上司や先輩が皆さんをしっかりと指導し、成長を促していくということです。ここでご理解いただきたいのは、モノのような資本と違って、人的資本、つまり、人材に関しては、そのスキルや能力が伸びていくかどうかは皆さんの「心の持ち方」による部分が大きいということです。ですから、皆さんには、自分という資本をどうすれば高めていけるのかを真剣に考えていただき、周りが与えてくれる成長の機会を逃さず取り込んでいって欲しいと思います。

最後になりますが、野村不動産グループの明るい未来は誰かが作ってくれるものではなく、このグループで働く仲間たち全員で作り上げていくものです。そして、皆さんは今日からその一員となりました。これから全員で明るい未来を作っていきましょう。何卒よろしくお願いします。

以上

 

筆者は、2006年にオールアバウトマンションのガイドになって以降、多くのディベロッパーに取材を重ねてきましたが、良い企業に共通するのは社員の途中離職が少ないこと。三井不動産や三菱地所など長期的な視点で、良質な不動産ストックを提供し続ける企業は、人材の流動性が比較的高い不動産業界において総じて離職率が低い傾向にあります。

以前、野村不動産の中堅社員の人から、入社同期はほとんど離職していないという話を聞きました。野村不動産は、製販一貫体制で商品企画に営業スタッフが係るなど、若手でも大きな役割を任されています。「人的資本経営」というのは、まさに同社の経営姿勢を表しているでしょう。

なお同社は、この4月にグループ5社の社員に対し、「産後パパ育休」により可能となった出産後 8 週間の間の 4 週間における育休取得に対して、最大 28 日間を有給化しました(休業前賃金の手取り額の 100%を保障)。

野村不動産は、当サイトでも紹介した「プラウドタワー川口クロス」「プラウドタワー目黒MARC」 をはじめ早期完売見込みの「プラウドタワー芝浦」などマーケットから高く評価されるマンションを数多く送り出しています。執筆時点(2023年4月4日)の過去5年間で、三井不動産、三菱地所、住友不動産を合わせた大手4社の中で、唯一株価が上昇しているのは、「人的資本経営」の表れかもしれません。
(参考 2023年4月4日時点 過去5年株価騰落率で、野村不動産は、+19%台 三井不動産-6%台 三菱地所-10%台 住友不動産-22%台 グーグルファイナンス参照)

不動産は、個人にとっても社会にとっても重要な資産です。2023年に不動産業界に入社した若い人材が大きく成長してともに豊かな未来をつくることを願ってやみません。

「プラウドタワー芝浦」の外観(筆者撮影)

「プラウドタワー芝浦」の外観(筆者撮影)

 

編集後記

筆者が新卒入社した1989年ごろは、就職というよりも就社という意味合いが強く、終身雇用が当たり前の時代でした。令和2年度の新卒の大卒就職者の入社3年以内の離職率は、31.2%と極めて高くなっています。変化の激しい時代にあって、様々な判断が企業や社会の行方を左右します。人材不足が顕著になる中、しっかりと成長機会を提供すし人を大切にする企業がこれからも伸びるのではないでしょうか。

参考サイト 不動産・住宅各社で入社式(不動産流通研究所)