10月度成約件数は、対前年比31.2%増加 平米単価は、4.8%上昇
公益財団法人東日本不動産流通機構より、 2020年10月度の首都圏不動産流通市場の動向について発表がありました。中古マンションの成約件数は10月としては機構発足以来最大の前年同月比31.2%アップの3,636件となっています。
また、成約平米単価は前年同月比で4.8%上昇の56.04万円。直近1年間の高値であった2020年1月の 56.29万円に迫っており価格ベースでもコロナ前まで回復しています。
また、首都圏の平均成約価格は、前年同月比5.4%上昇の3,649万円となっています。件数の伸び率が大きく上昇しているのは、昨年の10月が消費税増税前の駆け込み需要の反動減があったからです。とはいえ、成約数は好調に推移しており中古マンション市場は過熱感が出始めています。
エリア別の成約平米単価の価格動向を見ると、東京都は 75.05万円と前年比で4.7%上昇、神奈川県は、44.48 万円と前年比で 3.8%上昇、埼玉県は 32.79万円と前年比で0.6%上昇、千葉県は29.37万円と前年比で 4.5%上昇となっています。
成約件数は1都3県すべてが増加しており、東京都が前年同月比33.5%増加。神奈川県が40.0%増、埼玉県が17.4%増、千葉県が19.5%増です。ただし、前月比の成約平米単価は3県すべてダウンしており価格が上昇しているわけではありません。
また、中古戸建ても売れ行き好調で、前年比で成約件数は4カ月連続の増加。2020年10月の首都圏における中古戸建住宅の成約件数は 1,316 件で、10 月としては 1990 年 5 月の機構発足以降過去最高となり、前年比はプラス 41.8%の大幅増です。
新規登録物件数は、減少続く 在庫件数は4万戸を割るのは2015年12月以来
新規売物件は、減少傾向が続いています。10月の首都圏中古マンション新規登録件数は、15,106件となっており前年同月比―11.3%となっています。10月末時点の在庫件数は、 39,829 件で1年前と比べ16.7%減少。4万戸を切るのは、2015年12月以来であり直近のピークであった2019年8月の48,157件と比べると2割以上の減少です。
日経平均株価が29年ぶりの高値をつけるなど、マーケットマインドは回復が急です。新築マンションのラインナップもエリアによってはかなり少なくなっています。需給バランスの上では、需要が供給を上回る状況が当面続くのかもしれません。
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