東急不動産は、渋谷区代官山町にて推進している新たな複合施設「(仮称)代官山町プロジェクト」の新築工事に着工したことを発表しました。 計画地は、代官山駅至近であり八幡通り・代官山通りに面すフラッグシップ性のある立地に位置しています。
代官山は、発展を続ける渋谷をはじめ恵⽐寿・中目⿊へも徒歩圏内でありながら、賑わいと落ち着きがバランスよく共存する街。また、東急不動産が開発の重点拠点とする広域渋谷圏内の魅力ある街の中でも、時代に合わせた変化も柔軟に受け入れてきた、独特の存在感と個性を放つ街です。
同社は、賃貸住宅、オフィス、商業施設で構成する複合施設を建築し、「暮らす」「働く」「遊ぶ」の異なるシーンがシームレスに融合する『新しいライフスタイル』を提案する。世界的に有名な建築家・隈研吾氏がデザイン設計を手掛け、緑あふれる様々な形状の小さな木箱を積み上げたデザインにより、「街の緑につながり、木々が織りなす木漏れ日からひとりひとりの暮らしが垣間見える、木々の成⻑と共に変わりゆく時代に寄り添う新しい拠点の姿」を描く予定です。
《事業概要》
事業名称 :(仮称)代官山町プロジェクト
住 所: 東京都渋谷区代官山町119番他
敷地面積: 約 4,084㎡
延床面積: 約21,875㎡
構造規模: 鉄筋コンクリート造 地上10階、地下2階
用 途: 賃貸住宅、店舗、事務所、駐車場
基本設計: 隈研吾建築都市設計事務所
実施設計: 株式会社竹中工務店・株式会社東急設計コンサルタント 共同企業体
施 工 者: 株式会社竹中工務店
竣 工: 2023年秋(予定)
■ デザイン設計者・隈研吾氏の想い(リリースより抜粋)
コロナは建築と都市の歴史にとって大きな転換、折り返しポイントになるであろう。 コロナ以前の建築のテーマは「集中」であった。都心部に集中させることが効率的であり、幸福であると考えられていた。コロナのあと、われわれは都市の様々な活動を分散、多様な存在へと作り変えていかなければならない。『代官山町プロジェクト』はそのような新しい試みの一つのモデルとなるであろう。そこで、われわれは集中の時代の単調な箱にかわる、新しい自由でやわらかな建築を提案しようと考えた。
代官山は様々な意味でそのような自由な建築をつくるために最適な場所である。 まず、多様な地形を持ち、丘があり、川があり、それによって風の流れ、光の射し方も複雑で豊かである。この地は利便でありながら「集中の時代」の退屈な都市とは異なる豊かな自然がそこかしこに生きているのである。そのうえ、新しい自由な街を追求する、様々な試みがつくられてきた「街の実験場」であり「集合住宅の聖地」でもある。 戦前の実験的集合住宅の傑作、同潤会代官山のヒューマンなコミュニティに魅せられて僕は学生時代からその食堂や共同浴場を愛用していた。ストリート型集合住宅の原型を作ったといわれる槇文彦先生のヒルサイドテラスも僕の大事なデートコースであった。 そんな代官山の自然と伝統に助けられ、教えられてわれわれは新しいチャレンジをこの地に刻みたいと考えている。
『代官山町プロジェクト』は「集中の時代」の大きくて閉じた箱に換わり、様々なプロポーションの小さな木箱を積み上げようと考えた。木箱の多様性は街の自由とサステナビリティを象徴する。木箱と木箱の間には緑が植えられ、木箱のやさしいテクスチャーと緑が響きあって、街の緑につながっていく。その真ん中に空とつながるアトリウムを設けた。そのアトリウムから駅へとつながる路地がのび、木箱は空とつながるだけではなく、街とも結ばれ、木箱の生活は代官山の街の活動の一部となるであろう。われわれのデザインと街のシンボルが響きあって新しい時代の新しい生活が始まるだろう。(以上)
街が時代とともに変遷していくのは、避けられないものですが、活力ある街になるためには、そこに住まう人が活き活きと暮らせることが重要です。駅前の好立地に「住・働・遊」複合の場を作り賃貸レジデンスとしたことは、人の流動性を確保し街にとってプラスと考えます。渋谷区は、都心の他エリアに比べ良質な賃貸ストックが少なく感じます。まだ完成は、先ですがどんな姿になるか楽しみですね。