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平均年収1千万円超 2021年首都圏新築分譲マンション契約者調査

ニュース&トピックス

株式会社リクルートの住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターから2021年の首都圏新築分譲マンションの契約者動向について発表がありました。首都圏の新築分譲マンションの平均価格がバブル期を上回るとともに、コロナ禍によって意識も変化。契約者の動向にも変化が見られます。「2021年首都圏新築マンション契約者動向調査」を基に購入者の動向を紹介します。

世帯主の平均年齢は38.8歳 シングル世帯がやや増加し18%に

「2021年首都圏新築マンション契約者動向調査」によれば、2021年の平均購入価格は5,709万円で、2001年の調査開始以来過去最高に。2020年の5,538万円を171万円上回ります。同社が調査している2021年新築一戸建て契約者の平均購入価格4,331万円を1,378万円上回っています。

2016年の5,081万円を境に、ずっと5,000万円超の平均購入価格で推移していますが、新築マンションは、資金的な余力がある人向けの住宅になりつつあることが窺えます。

まず、新築マンションの契約者の属性を見てみましょう。世帯主の平均年齢は38.8歳で2020年の37.7歳よりもやや上昇しています。近年増加傾向にあった20代の比率は、2020年の16.3%から15.0%にダウン。価格上昇の影響が少なからずあるかもしれません。

ライフステージ別では、シングル男性世帯が6.9%、シングル女性世帯が11.1%で単身世帯の割合が18%に。これは、2001年の調査開始以来過去最高の割合です。新築マンション購入者のおおよそ5組に1組は単身世帯が購入していることになります。

子供あり世帯は36.1%、夫婦のみ世帯が32.7%であり、マンション購入者の中心がカップルもしくはファミリーであることに変わりありません。

既婚世帯の共働き比率は、2001年調査開始以来最高の74%

働く女性の割合が増加している中で、新築分譲マンションの購入者全体に占める共働き世帯の割合も増えており2021年は58.9%に。これを既婚世帯のシェアで見ると、実に74.3%。2020年の72.1%を上回り過去最高に。20年前の2001年が41.5%、10年前の2011年が54.6%であったことを踏まえると、大きくライフステージが変化していることが理解できます。

世帯総年収は全体平均で1,019万円となっており、2020年の985万円を上回り2008年以降で最も高くなっています。既婚共働きの平均世帯総年収は、1,087万円となっており共働き世帯のマンション購入比率の高まりが平均世帯総年収を押し上げています。なお、総年収1,000万円以上の既婚共働き世帯の割合は、全体の27%に及びます。

また、既婚・共働きをしてる世帯の世帯主の平均年収は773万円となっており、既婚・共働きをしていない世帯主の平均年収1,019万円を下回ります。共働きではない新築マンション購入世帯の世帯主の平均年収は、1千万円を超える高い水準になっています。

東京23区の購入割合は39% 平均専有面積は66.0㎡で最も小さく

購入した物件の所在地は、「東京23区」が最も多く39.4%。次いで「神奈川県」が25.4%、「千葉県」が12.3%、「東京都下」が11.5%、「埼玉県」が11.4%になっています。

ライフステージ別のエリア選好では、シングル男性世帯の51.6%、シングル女性世帯の53.1%が「東京23区」を選んでおり、単身世帯の「東京23区」選好が強い傾向になっています。また、世帯総年収が1000万円以上の世帯の50.4%が「東京23区」を購入。世帯総年収1000万円未満の世帯の26.1%を大きく上回ります。

平均専有面積は、66.0㎡で2020年の67.3㎡をさらに下回り2001年の調査開始以来、過去最小に。なお、夫婦のみ世帯の平均専有面積は68.5㎡、子供あり世帯の平均専有面積は72.2㎡になっています。

一方、シングル男性世帯は52.9㎡、シングル女性世帯は46.8㎡となっており単身世帯でも一定の広さのマンションを購入しています。

自己資金比率平均19.1% ローン借入総額は平均4,941万円と高め

購入価格が上昇しているためか、自己資金比率は2020年の17.9%を上回る19.1%に。10年前の2011年は24.5%であり、低金利を反映してか過去20年で見ると20%を割る低い水準です。

シニアカップル世帯の自己資金比率が最も高く68.2%。最も低いのは夫婦のみ世帯で8.9%。既婚で共働きしていない世帯は29.3%と自己資金比率が高く、既婚共働きをしている世帯は12.2%と自己資金の割合が低くなっています。なお、全額キャッシュで購入した人の割合は、8.1%です。

ローンの借入総額は、4,941万円で2020年の4,864万円を上回り過去最高に。5,000万円以上を借入れた人の割合は44.9%になっています。世帯総年収1,000万円以上の世帯の平均借入額は6,103万円と6千万円を上回ります。また、既婚・共働きをしている世帯の46.9%がペアローンを利用しています。

購入を思い立った理由は、「資産として有利」 中古も検討が増加

住まいの購入理由は、「子供や家族のため」が34.5%でトップ。「もっと広い家に住みたい」が31.1%、「住居費が高くてもったいない」が30.2%。次いで「資産を持ちたい・資産として有利だと思った」が29.1%となっており過去最高に。2020年の27.1%よりも伸びています。また、「税制が有利で買い時と思った」は、2020年の7.9%から13.0%と大きく増加。住宅ローン減税の控除額が2022年に縮小されるアナウンスもあって、有利なタイミングでと考えた人も多かったようです。

暮らしのイメージでは、居住空間のゆとりが35.0%で、日々の生活のしやすさの34.2%、仕事や通勤の便利さの31.2%よりも上位に。コロナ禍の中で、居住空間のゆとりを重視する人が増えているようです。

また、中古マンションとの並行検討者は全体の54.5%となっており、2003年以降で最も高くなっています。

購入を思い立ってから契約までの期間は平均9.7ヶ月となっており、2年続けてやや伸びる結果に。2020年と同様に東京23区在住の人の32.7%は他エリアの物件を購入しています。価格が上昇する中で、購入希望にあった新築マンションを見つけるのが難しくなっているのかもしれません。

 

出典 「2021年首都圏新築分譲マンション契約者動向調査」