東急不動産の分譲マンション「ブランズ上目黒諏訪山」の竣工見学会に参加した。目黒区上目黒三丁目の高台の邸宅街に立地する全19邸。全戸分の自走式平置き駐車場を設けかつ EV 充電器を設置している。分譲当時は、一都三県では初の試み。駐車場全区画に専用の EV 充電器が１台ずつ用意されていることにより、電気自動車の購入、利用がしやすくなることに加え、電気自動車（EV）を駐車時に充電できるようになり、時間の有効活用にもつながる。世界的に化石燃料の利用減、二酸化炭素（ＣＯ2）排出削減が求められるなか、環境に優しい電気自動車の普及を設備面から後押しする。
総戸数 19 戸に対し、19 区画の自走式平置き駐車場。平置きのため車の出し入れもしやすく、ハイルーフなど車高の高い車も駐車できる。また、地下駐車場のため、日差しや雨からも愛車を守りやすい。既に完売と表示で販売も好調だった。中心価格は4億円台で全戸3億超と富裕層向けのマンションだが、現地を訪ねると好調も頷ける納得のつくりだ。
まず立地だが、中目黒駅から徒歩6分の閑静な高台の邸宅街に位置。周辺は、高級レジデンスや瀟洒な住宅が並ぶ。アプローチは、通り抜けができない道路で、擦れ違う車はほとんどない。敷地面積は、2100㎡超とゆとりがある。
専有部も平均面積 150 ㎡超とゆとりがあり、2.6m の天井高、PP 分離に配慮し、全住戸 2 か所のレストルーム、ドレッシングルームにダブルボウルの洗面カウンターを設置。また、全住戸の玄関横に専用の宅配ボックスを設置しており、メールボックスから配達物を運ぶ手間を省き、住戸内から取り
出しが可能。配達員と顔を合わせることなく、荷物の受け取り・回収が可能だ。
19邸のための豪華な共用空間 ゆとりある地下駐車場スペース
「ブランズ上目黒諏訪山」の共用ラウンジ
全19邸の「ブランズ上目黒諏訪山」だが、共用空間を十分確保している。エントランスから住戸へは、上質さを感じるホテルライクな内廊下設計。二層吹き抜けの共用ラウンジには、暖炉もあり寛ぎのスペース。ゲストと交流できるワイドなテーブルのあるスペースも用意されている。
「ブランズ上目黒諏訪山」の共用スペース
地下駐車場は、通路が十分確保されており出し入れもしやすいつくり。現状は、電気自動車を利用する人はほとんどいないようだが、将来を見据えたつくりといえるだろう。
「ブランズ上目黒諏訪山」の地下駐車場スペース
分譲平均坪単価は、800万円を上回るが実需中心に1年半で完売に至っている。購入層の中心は、会社役員や経営者などの富裕層で外国人は皆無。目黒区、渋谷区を中心に都内からの購入が多いとのこと。車高2.3mまで対応でき、購入者はすべて車保有者とのことだ。
千代田区や港区の富裕層向けマンションの売れ行きも好調だが、10年ほど前と比べ富裕層向けマンションの市場が拡大していることを実感する。東日本不動産流通機構発表の2022年10月から12月期の1億円以上の成約件数は、425件。これは、前年同期の295件を大きく上回る。
しかし、富裕層市場に受け入れられるのは、立地に加え商品企画も重要だ。中でも、幅広い車種に対応できる駐車場の有無は重要なファクターといえる。「ブランズ上目黒諏訪山」は、全戸平置き駐車場を地下に確保しゆとりの広さを提案するなど富裕層のニーズに応えている。野村総合研究所 が２０２０年に公表した、「純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移」によれば、2019年時点で5億円を超える純金融資産を保有する超富裕層は、全国に8万7千世帯。2009年の5万世帯よりも3万7千世帯も増えている。1億円以上の純金融資産を保有する世帯は、124万世帯と多い。こうした富裕層をターゲットにしたマンション分譲は、今後も拡がりを見せそうだ。
《物件概要》東急日比谷線「中目黒」駅徒歩 6 分
構 造 ・ 規 模：RC 造地上 3 階、地下 1 階
敷 地 面 積：2,154.48 ㎡
延床面 積：4,661.80 ㎡
総 戸 数：19 戸
竣 工 / 引 渡：2022 年 11 月上旬/2023 年 1 月下旬
事業主（売主）：東急不動産株式会社
販売会 社：東急不動産株式会社
設 計 ・ 監 理：株式会社板倉建築研究所
施 工：株式会社淺沼組 東京本店
管 理：株式会社東急コミュニティー
