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穴場な街が住宅地上昇率の上位に 2019年都道府県地価調査 

建設中の「シティタワーズ東京ベイ」 街のトレンド
建設中の「シティタワーズ東京ベイ」

令和元年都道府県地価調査による基準地価が国土交通省から発表されました。前年比で、0.4%の上昇となり三大都市圏以外の地方圏でも商業地が平成3年以来28年ぶりに上昇に転じるなど、全国的に地価の回復傾向が広がっています。

背景として、景気回復、雇用・所得環境の改善、低金利環境の下で交通利便性等に優れた地域を中心に住宅需要が堅調であること、オフィス市場の活況、外国人観光客等の増加による店舗・ホテル需要の高まりや再開発事業等の進展を背景に需要が拡大していることなどが挙げられます。

基準地価・・・各都道府県内から選んだその年の7月1日時点の基準地の標準価格のこと。国土利用計画法に基づいて都道府県などがまとめて発表する。公示地価が都市計画区域内を主な対象とするのに対し、基準地価は都市計画区域外の住宅地、商業地、工業地、宅地ではない林地なども含むため、平均的な地価動向に違いが生じます。

今回は、首都圏の住宅地のトップ10についての動向を紹介します。上位に来るのはいわゆるブランド住宅地ではなく意外な街が目立ちます。

豊島区、足立区、荒川区が東京都トップ3 川口や三ノ輪、有明も上昇

令和元年都道府県地価調査 住宅地の上昇率順位表(首都圏)

令和元年都道府県地価調査 住宅地の上昇率順位表(首都圏)

首都圏の上昇率上位を見ると都心の3A地区や城南・城西エリアといった顔ぶれは無く、トップに柏市大室が来るなど郊外エリアもランクインしています。

東京都の住宅地上昇率のトップ3は、『豊島区高田一丁目343番5』、『足立区千住中居町16番43』、『荒川区荒川二丁目21番35外』の順。いわゆる都心近郊の住宅地です。

道路整備や再開発 穴場的要素が豊富な住宅地上昇率の上位地点

上昇率都内1位の「豊島区高田」の近くの千登世橋から東池袋方面を望む

上昇率都内1位の「豊島区高田」の近くの千登世橋から東池袋方面を望む

上昇率の上位地点を訪ねてみると、都心近郊だけが上がっている要因でないことが理解できます。変動率東京都内1位の『豊島区高田一丁目343番5』は、副都心線「雑司ヶ谷」駅や都電荒川線「鬼子母神前」を最寄り駅とするエリアです。

千登世橋から明治通りを望む

千登世橋から明治通りを望む

「雑司ヶ谷」駅を出てしばし歩くと目白通りと明治通りの立体交差する場所に出ます。交通量が多くこの辺りが、交通の要衝であることが理解できます。また、東池袋の再開発エリアも見えていて再開発ラッシュの池袋界隈から近いこともこの界隈の強みと言えるでしょう。

『豊島区高田一丁目343番5』の界隈。落ち着いた住宅街の一角

『豊島区高田一丁目343番5』の界隈。落ち着いた住宅街の一角

基準値である『豊島区高田一丁目343番5』の界隈は、落ち着いた住宅街の一角で高低差のある高台の途中に位置します。車通りは少なく居住地として良好な住環境です。

「雑司ヶ谷」駅前で進む道路整備

「雑司ヶ谷」駅前で進む道路整備

東京都は、平成23年度から平成31年度にかけて、豊島区高田3丁目から豊島区南池袋2丁目までの約1400mの区間で地下道路整備に事業着手しており間もなく完成予定。利便性の向上や防災性の向上だけでなく、池袋駅前の道路混雑の緩和や地域の活性化を図っています。

2019年7月にオープンした複合施設「キュープラザ池袋」

2019年7月にオープンした複合施設「キュープラザ池袋」

池袋は、2019年7月にシネコンも入る複合商業施設「キュープラザ池袋」がオープンするなど再開発が着実に進行中。こうしたサードプレイスの誕生は、「雑司ヶ谷」界隈の地価の押上要因になるでしょう。

また、副都心線では「新宿」や「渋谷」へのアクセス性も高い。一見穴場のようでも、一つ一つの要素を確認すると納得感があります。

「北千住」駅前のペデストリアンデッキ

「北千住」駅前のペデストリアンデッキ

次に、東京都内上昇率2位の『足立区千住中居町16番43』を訪ねてみました。「北千住」駅と言えば、穴場な街ランキングなどの上位常連の街です。東京都内上昇率2位になった今は、もはや穴場とは言えないかもしれません。

「北千住」駅前の商店街

「北千住」駅前の商店街

基準地のある場所は、「北千住」駅から続く「北千住駅西口美観商店街振興組合」を抜けて日光街道を越えた住宅地の一角です。かつての宿場町だった「北千住」駅周辺は、マルイ北千住やルミネ北千住などの大型商業施設に加え、駅周辺に個性的なお店が揃った商店街が豊富にあることが魅力です。

近年は、スーパーの跡地に商業施設と住宅の入る複合開発マンション「パークホームズ北千住アドーア」や複合再開発タワー「千住 ザ・タワー」が人気になるなど居住エリアとしても人気があります。東京電機大学東京千住キャンパスの開校など複数の教育関連施設が誕生したことも地域の居住エリアとしての魅力を高めています。

「千住中居町」の住宅地

「千住中居町」の住宅地

基準地である「千住中居町」は、日光街道を挟むためか商店が点在する「北千住」駅周辺と異なり比較的静かな印象。整った住宅地というわけではありませんが、生活利便性は高い場所と言えるでしょう。

『足立区千住中居町16番43』界隈の街並

『足立区千住中居町16番43』界隈の街並

「北千住」駅と言えば、常磐線、日比谷線、千代田線、つくばエクスプレス線、東武伊勢崎線の5路線が乗入れる首都圏屈指のターミナル駅。再開発が活発な「東京」駅方面へのアクセスも良好で生活利便性と交通利便性を享受できる街として人気があります。駅周辺は、住居系エリアが無いのでこうした場所が注目されているのでしょう。

有明に、待望の大型スーパーが誕生 東京五輪関連の施設の建設も進行中

『江東区有明一丁目5番9外』

『江東区有明一丁目5番9外』の周辺

再開発が活発化している東京湾岸エリアですがその中で最も上昇率が高かったのが『江東区有明一丁目5番9外』の基準地です。近くでは、東京五輪関連施設の建設中の「有明アリーナ」が建設中。その他にも工事現場が複数あり街がダイナミックに変化していることが理解できます。

建設中の「有明アリーナ」

建設中の「有明アリーナ」

さらに現在進行しているのが、国家戦略特区として指定された約10.7haにもおよぶ住宅と商業の複合再開発。約800室のホテル・サービスアパートメント、約8000人収容のイベントホール、約170店舗の入る大型ショッピングセンターが全1539邸の免震タワーレジデンス「シティタワーズ東京ベイ」とともに誕生します。

建設中の「シティータワーズ東京ベイ」と再開発エリア

建設中の「シティータワーズ東京ベイ」(右)と再開発エリア

有明エリアは、大規模タワーマンションの建設が相次ぎ居住人口が大きく増加したエリアですが、ららぽーと豊洲がある豊洲エリアやイオン東雲がある東雲地区と違って身近に大型商業施設が無いのが不満点でした。ショッピングモールがオープンすれば生活利便性は大きく向上するでしょう。

今年の首都圏住宅地上昇率上位を見て気づくのは、1位の柏市大室をはじめ首都圏の東側が目立つことです。江戸時代から都市として発展し世界一の都市圏人口を誇る首都圏。開発余地が比較的ある東側にこれからの伸びしろがあることを示しているのかもしれません。

 

【編集後記】

人口減少社会を既に迎えている中で、街の選択はとても大切です。消費税が10月1日からアップする中で、昼間人口や夜間人口の多寡によって各自治体の税収も変わってくるでしょう。住環境や生活支援に回せる税収も差異が出てくるはずです。

地価の上昇しているポイントは、記事でも書いたように何らかの理由があるはず。街選びのヒントに地価動向もチェックしてみてはいかがでしょうか。