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価格は約3割上昇「マンション購入は2020年まで待て説」は誤り?

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2013年9月の2020年東京五輪開催決定以降に東京湾岸エリアや都心エリアのマンション価格は大きく上昇しました。その動向を見て「マンション購入は2020年まで待て」といった論調がメディアにも散見されました。

首都圏中古マンション成約動向 (データ元:公益財団法人東日本不動産流通機構)

首都圏中古マンション成約動向 (データ元:公益財団法人東日本不動産流通機構)

首都圏新築マンション価格は、2012年の4540万円から2018年に5878万円に(出典:不動産経済研究所)。新築マンションのみならず上記の表のように中古マンション価格も大きく上昇しました。来年20%も下落することは、考えにくいので結果から見ると「マンション購入は2020年まで待て説」は、間違っていたとも言えるかもしれません。

筆者は、2015年11月に「マンション購入は2020年まで待て説」は正しいかという記事を「All About マンショントレンド情報」にアップしています。

「All About マンショントレンド情報」

「マンション購入は、2020年まで待て説」は正しいか?

その中で、消費税の価格影響や法人税引き下げの影響、インバウンドの流れなど価格上昇要因があることを示しています。また都心の再開発によって魅力が高まることもプラス要因として挙げています。ただし、筆者は必ずしも上がるとはコメントしていません。賃貸に住んでいるのであれば、家賃負担を考えた場合、物件価格が下がったとしても買うメリットの方が大きいと述べています。

年間200万円の家賃を払っているなら5年間待てば1000万円の総賃料がかかります。金利負担が無ければ、5000万円のマンションが5年で10%下がったとしても500万円のプラスになります。

将来を完全に予測することは不可能 過去からの判断は限界がある

では、結果的になぜ「マンション購入は2020年まで待て説」という論調が出たのでしょう。それは多くの人が過去延長上に、見通しを立てたからだと思います。

当時を振り返ると、地価は反転上昇したばかりで建築費も高止まり。供給戸数も弱含みで一定期間コスト面で価格上昇することは理解できたと思います。しかし、従前の相場観を気にすると購入に踏み切れなかった人もいたでしょう。

一方で、家族のライフプラン中心にマンション探しをした人はマイホームを実現できた人は多かったのではないでしょうか。相場に左右されず自分の価値観で動ける人は、いつの時代でも良い選択ができると思います。

筆者は、2012年6月に「マンション価格下落、物件豊富 ここ数年で一番の買い時」という記事に取材協力していますが、底値でマンションを買うのは、そもそも難しいものです。その時代の中でのベストを尽くすことが重要ではないでしょうか。

湾岸エリア中古マンション価格トレンド(2014年~2018年) 土地情報ライブラリーの成約データより算出。平成10年築以降の40㎡以上の住戸が対象。リフォーム住戸は除く。勝どき・月島・晴海地区、豊洲・東雲・有明地区が対象。枝川・辰巳は除いている。概算で公表されている成約住戸の平均値であり、住戸補正や物件・築年数の補正はしていないため成約価格トレンドの目安として参照。(オレンジ:勝どき・月島・晴海 青:豊洲・東雲・有明)

湾岸エリア中古マンション価格トレンド(2014年~2018年)
土地情報ライブラリーの成約データより算出。平成10年築以降の40㎡以上の住戸が対象。リフォーム住戸は除く。勝どき・月島・晴海地区、豊洲・東雲・有明地区が対象。枝川・辰巳は除いている。概算で公表されている成約住戸の平均値であり、住戸補正や物件・築年数の補正はしていないため成約価格トレンドの目安として参照。(オレンジ:勝どき・月島・晴海 青:豊洲・東雲・有明)

東京湾岸エリアの中古マンション価格の動向を見ると、コンスタントに新築マンションの供給が続いているため2015年に大きく上昇して以降は、大きな上昇は見られません。検討エリアによっては、価格動向がことなるので、供給ラインナップを見続けていたなら理想のマンションに出会えていたかもしれません。

 

企業規模別経常利益の推移

企業規模別経常利益の推移

また、マンションの価格上昇は、大企業を中心とした企業業績の回復など様々な要因の結果です。上図の企業規模別経常利益の推移のデータを見ると大企業の業績アップは、都市部の不動産価格にはプラスになっています。また、日本銀行のゼロ金利政策などもマンション価格上昇の要因です。ですので、筆者も含めて未来を予想することは誰しもできますが、予測することは困難です。

 

物件価格÷返済年数で定年前の完済イメージ 戸建なら価格は抑えられる

今後の価格動向ですが、公示地価のトレンドや工事費の高止まり、堅調な中古マンションの売れ行きを見ると、当面は価格が上がることが予想されます。結果的にマンションの購入層も共働き層など資金力のある人が中心になっています。

不動産は、人口動態、社会構造、消費者の志向、為替の動向、開発の動向、景気動向など自分ではコントロールできないものに左右されます。これからマンションを買う方には、安易に将来売ればいいという考えではなく、完済見通しをイメージした上で購入判断をしていただきたいと思います。

今は、ほぼ金利負担はゼロですので、物件価格を返済期間で割れば完済をイメージできます。例えば、35歳の家族が5000万円のマンションを55歳での完済を考えるなら5000万円÷20=250万円。毎年250万円づつ支払うイメージができれば大丈夫でしょう。

あわせて、1000万円を預金できれば60歳までの5年で1000万円貯められれば住宅ローンを完済したうえで2000万円の貯金が実現できます。ローンが支払い終わって一定の貯蓄があれば、老後の生活不安も低減できるでしょう。

また、マンション価格が大きく上昇している一方で、戸建ては郊外ならさほど上がっていないエリアも見受けます。永住目的で住まいを探すのであれば、マンションデベロッパーが力を入れ始めている一戸建てを検討するのも選択肢の一つです。

※戸建てとマンションの価格上昇差異は、複合的な要因によります。あらためて考察します。

【関連記事】 稲毛海岸 美浜の杜シティ 三菱・三井の大規模戸建が4300万円台~

筆者の知る限り不動産で資産価値を保証するサービスはありません。どういう展開になっても困らないような住宅選びを心がけることが大切だと思います。

【関連記事】2014年は、マンション『まだ買い時』説の真偽

上記記事は、2014年1月に書いた記事です。当時価格が一段と上昇しオールアバウトマンショントレンドサイトの中でも注目度も高かった記事です。オリンピックが決まって価格は上昇しましたがラインナップ的に好物件が揃っていました。筆者がWEBサイト「家の時間」に寄稿した2014年春の注目物件リストは次の10物件です。

「パークシティ大崎ザ タワー」「スカイズ タワー&ガーデン、ベイズ タワー&ガーデン」「インペリアルガーデン」「桜上水ガーデンズ」「プラウドシティ仙川」「シティタワー武蔵小杉」「プラウド美しが丘」「武蔵浦和SKY&GARDEN」「ザ・レジデンス津田沼奏の杜」「ライオンズタワー柏」です。

どの物件も今では中古市場でも人気のプロジェクト。当時、相場の高低ではなく価値志向でマンションを選んだ方は、納得した購入が出来た方も多かったのではないでしょうか。短期の損得ではなく、長い目で物件を選ぶことがいつの時代も大切なのだと思います。

 

【編集後記】

筆者が首都圏の分譲マンションに関りをもった25年前、担当した企業の役員の方から1年ぐらいはマーケットは読める、それ以上は読めないと聞きました。当時は、金融機関の破綻・廃業など目まぐるしく世の中が変わりマンションストックもここまで多くはありませんでした。

当時と比べると、成熟した社会の中で不動産マーケットのサイクルは安定していると言えるでしょう。しかし、誰も未来を約束してくれるわけではありません。「マンション購入は2020年まで待て説」は、結果的に間違っていただけであってリーマンショックのような要因で正しかった可能性もゼロではなかったと思います。

その中で、重要なのは時間を上手く使うことです。変化の激しい株式マーケットと違い家を買えば少なくとも家賃の支払いは止めることができます。

松下幸之助氏が言ったように何とかして「ダムをつくる」ことが家計にも大切です。その為には、節約よる貯蓄や投資などまずは一歩を踏み出すこと。そして家族にフィットする住まい探しを始めて見てはいかがでしょうか。

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