『街とマンションのトレンド情報』をタイムリーに発信します。

記事本数計400本! 100万PV超 
かけがえのない人生に豊かさと自由を
より良き『住まい・社会・未来』

「パークシティ中野 ザ タワー」反響1万件超PJのコンセプトルーム見学

消費税の影響は? 2019年は、マンション買い時か

ライフ&マネー
平成30年都内基準地価上昇率1位だった新宿区歌舞伎町

2019年がスタートしました。価格の高止まり感で初月契約率が62.1%(不動産経済研究所 2018年首都圏マンション市場動向)と減速した新築マンションマーケット。2018年12月末時点の販売在庫数は、9552戸と前年末比よりも2446戸増加しています。10月には、消費税の引上げも予定されている2019年。マンションの買い時度合いを考えてみたいと思います。

消費税がかかるのは建物価格 土地は非課税

2019年10月1日に消費税率が8%から10%へと引き上げられます。2014年4月1日に消費税率5%から8%に引き上げられた際は、不動産市場含めた経済全般で駆け込み需要と反動減が発生しました。今回は、前回の結果を踏まえて需要を平準化させる施策が取られています。消費税引き上げ前と引き上げ後にどう変わるのかを確認しましょう。

まず押さえておきたいのは、住宅の場合は建物部分であり土地には消費税がかからないという点です。例えば税別4000万円(土地価格2000万円 建物価格2000万円)の一戸建ては、消費税8%時点の税込み価格は、2000万円+2000万円+2000万円×8%=4160万円。これが消費税10%に引き上げると、2000万円+2000万円+2000万円×10%=4200万円。税込み価格は40万円アップします。建物価格が大きければ大きければ税込み価格の上昇幅が大きくなり、建物価格が小さければ上昇幅は抑えられます。

個人の中古住宅を売買する際は、消費税はかかりません(売主が不動産業者の場合など課税業者の際はかかります)。消費税が引き上げられたとしても、中古住宅の価格に直接影響が出るわけではありません。ただし新築住宅の価格が上昇すれば少なからず中古住宅の相場には影響が出ます。消費税引き上げ後に戸建てよりもマンションの方が中古価格が上昇したのは、新築の価格が引き上げられたからです。

また、売買の際の仲介手数料やカーテン・家電などの家財、引越し代なども消費税引き上げの影響を受けます。前回よりも引き上げ幅は抑えられていますが住宅取得トータルにかかる費用への影響は少なくないと言えます。こうした影響を緩和するため、住宅ローン控除の拡充やすまい給付金などの住宅購入支援策を10%引き上げ後には実施される予定です。

住宅ローン控除期間を3年延長 住宅取得資金贈与の非課税枠の拡充

消費税引き上げの際の対策として、予定されていた「すまい給付金」の拡充や直系尊属に対する住宅取得資金贈与の非課税枠の拡充に加えて、住宅ローン控除を11年目から13年目まで3年間延長することが発表されました。適用年の11年目から13年目までの各年の控除限度額は、以下のいずれか小さい額となっており、◇住宅借入金等の年末残高(4,000万円※を限度)×1% もしくは◇建物購入価格(4,000万円※を限度)×2/3%(2%÷3年)の低い額になる予定です(長期優良住宅や低炭素住宅の場合 は、建物価格5000万円まで)。

一般的に4,000万円の建物は早々供給されないので仮に建物価格を3,000万円と仮定すると、控除額は年間20万円程度。3年で60万円となりますから消費税で引き上げられた建物価格3,000万円の2%分が還元されることになります。住宅ローン控除を活用して、住まいを買う方なら引上げ前と引き上げ後で、計算上の金銭的負担の増加はほとんどないと言えるでしょう。

もう一つ注目されているのが、住宅取得資金贈与の非課税枠の拡充です。20歳以上(1月1日時点)の人が父母や祖父母など直系尊属から受けた住宅取得資金の贈与に関して、贈与税が非課税となります(2021年12月31日まで)。非課税枠は、契約の締結日、住宅の種類、消費税率によって変わり消費税10%の住宅を2019年4月1日~2020年3月31日の間に契約した場合は、非課税枠が消費税8%時の700万円から2500万円(断熱性や耐震性に優れた省エネ等住宅は、非課税枠が3000万円)と拡充されます。引き渡しが2019年10月1日以降のマンションの中には、非課税枠の拡充を利用するため2019年4月1日を待っての購入を考えている人も一定数いるようです。

「住宅資金贈与の非課税」制度は、暦年課税の基礎控除110万円と併用できるので効果的に親からの資金援助ができます。非課税の対象となるには一定の要件がありますので、国税庁のホームページを確認して下さい。

新元号が始まる2019年 不透明感があるときも購入機会はある

消費税の引き上げや様々なイベントの多い2019年は、先行きが不透明な年と言えるかもしれません。しかし、過去を振り返って見るとこうした先行きが不透明なタイミングを活かして住宅を取得した方も数多くいます。30年前の平成バブルを社会人1年生で経験した身として思うのは、当時と比べ住まい選びの選択肢がかなり多いということ。中古マンションの登録件数は、過去最大ですし新築マンションのラインナップも幅広い。30年前にはほとんど供給が無かった再開発マンションや大規模マンションの供給も都心近郊含め豊富にあります。

平成30年公示地価 

平成30年公示地価 全国の変動率

また、価格動向は地域でバラツキはあるものの都市部の土地価格は上昇トレンドが続いています。今年話題になりそうな東京湾岸エリアの大規模開発の事業スタートが5年程度前から始まっていることを考えると、短期間に不動産価格が大幅に下落することは考えにくいと思います。不動産経済研究所の予測では、2019年の首都圏マンション供給は、約3万7千戸で横ばいと見られています。中古マンションや戸建ても選択肢に入れればかなりの選択肢があると言えます。

住まいを選ぶ際に大切なのは、自分や家族にとってプラスになるマンションや戸建てに出会えるかどうか。市況はどうであれ予算にあった住まいを見つけるチャンスは、2019年もあるはずです。幸い、住宅ローンの金利水準は抑えられているので購入環境は良好です。この5月には、新たな元号がスタートします。この記念すべき年に住まいを購入するのも一つの縁。まずは、どんなマンションラインナップがあるのかを確認してマンション選びをスタートしてみてはいかがでしょうか。