中古マンション成約件数は前年同月比11.5%減少 3月中旬以降成約鈍化
東日本不動産流通機構発表の2020年3月度の首都圏中古マンション動向によれば、成約件数は昨年同月比11.5%減少の3,642件。成約価格は、前年同月比ほぼ横ばいの3,489万円。成約平米単価が0.2%上昇の54.05万円です。成約件数は、前月比では3カ月ぶりに減少しています。新型コロナウィルス感染者の急拡大が始まったのが3月中旬以降。中古マンションの売れ行きへの影響が出始めています。
販売中の在庫件数は前月から2.6%減少し46,192件となっています。新規登録件数も対前年比で減少ししており、前年同月比8.4%減少の16,910件となっています。
成約平米単価54.05万円に対し新規登録物件の平米単価は57.51万円。乖離はかつてに比べ小さくなっているので、需要減の影響が成約件数の減少につながっていると思われます。4月以降は、7都府県で新型コロナウィルスに対する緊急事態宣言が発令され、不動産市場の不透明感が一層増しています。
新築マンションのモデルルーム休止 工事中断で引渡しの遅延の可能性も
感染拡大が顕著になった3月中旬以降、新築マンションのモデルルーム営業は事前予約客に限るなど縮小傾向にありましたが、緊急事態宣言によって対象地域では5月6日まで臨時休業にするところが大半になっています。
※東京都の「基本的に休止を要請する施設」(特措法施行令第11条に該当するもの)には、住宅展示場(戸建て、マンション)が含まれています。不動産業は、対象外です。
ゴールデンウィークは例年、来場が活発化する商戦期ですから今回の休業によって多くの現場で販売計画の見直しが余儀なくされるでしょう。また、中古流通業者も店舗を休業しテレワークや在宅勤務に移る企業が目だちます。当然、現在販売中の中古マンションの販売にも影響は出てくるでしょう。
また、現在建設中の工事現場でも緊急事態宣言を受けて工事を中断する現場も出てきています。中断が長引けば、引き渡し時期などにも影響が出てくる可能性があります。
緊急事態宣言によって先週末は、銀座や新宿などの商業エリアで街中を歩く人が大きく減りましたが、週明けの月曜日は、依然として品川などのオフィス街が通勤客で混みあっています。
不動産市場の今後の動向も新型コロナウィルスの感染拡大を終息できるかにかかっています。潜伏期間とされる2週間後の4月21日に、緊急事態宣言の効果が出ていることを期待したいと思います。
【編集後記】
ウィルスの流行による都市封鎖という、第二次世界大戦以降経験したことのないような光景が世界各地で広がっています。一部の都市では、感染拡大に歯止めがかかりつつありますが日本は地方都市でも感染が波及しつつあります。
急激な収入の減少など、経済的な影響を受けている人も多いと思います。ウィルスを運ぶのは、人です。こうした状況でも、医療従事者の方や食料品店の方など前線で働いている方はたくさんいます。まずは、自宅で仕事をすることができる人が、不要な外出をせず家にいることが大切だと思います。