公益財団法人東日本不動産流通機構より、 2020年5月度の首都圏不動産流通市場の動向について発表がありました。緊急事態宣言が解除され新型コロナウイルスの感染拡大が日本国内においては収まりつつある中で、前月に比べると市場が落ち着きを取り戻しつつあります。
2020年5月度の首都圏中古マンション成約件数は1,692件で、前年比マイナス38.5%と大幅に減少したものの4月の前年同月比マイナス 52.6%に比べるとマイナス幅が縮小。成約件数も4月の1,629件に比べ若干伸びて居ます。
都道府県別で見ると、東京都の成約件数が-37.6%の882件となっており概ねどの都県も30%~40%の減少となっています。
一方で、中古マンションの成約平米単価は、52.03万円で前年同月比で0.4%上昇し前月比では2.3%のプラスとなっています。中でも、東京都区部は前年同月比2.7%上昇の77.87万円。前月比では1.9%の上昇です。埼玉県は前月比で4.5%上昇(前年同月比では―3.6%)、千葉県も前月比で5.1%上昇(前年同月比では―8.4%)と持ち直しています。一方で神奈川県は、前月比で―2.0%(前年同月比では、-3.1%)です。
また、都心3区(千代田・中央・港区)の5月度の成約状況は平米単価(前月比―4.4%)、価格(前月比―6.6%)と共に下落しており一概に持ち直しているとは言えないかもしれません。
2020年5月度の新規の登録件数(売り出し件数)は、前年同月比―8.5%の14,432件。成約件数が大幅に減る一方で、登録件数の伸びが少なく在庫件数は、前月比0.6%プラスの46,507件と僅かな上昇です。
5月は新築マンションの販売が進まなかった為、需給バランス的に中古に目が行きやすかった部分も少なからずあったかもしれません。しかし、住み替え等を控えるユーザーがこれから増えれば中古マンション市場において、必ずしも買い手有利とはいえない状況になるかもしれません。
6月に入り、緊急事態宣言下でクローズしていた新築マンションのモデルルームが次々にオープンしています。不透明な状況下ではあるものの、今年住まいを検討していた方はまずは足を運んでみてはいかがでしょうか。