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プラウドシティ越中島が完売 2019年4月の首都圏マンション市場

竣工したプラウドシティ越中島(2019年5月撮影) マーケット情報
竣工したプラウドシティ越中島(2019年5月撮影)

3月末の反動で販売戸数は前年同月比39.3%減少 平米単価は16.4%上昇

不動産経済研究所発表の「2019年4月度首都圏のマンション市場動向」によれば、2019年4月度の首都圏新築マンション販売戸数は、前年同月比39.3%減少の1,421戸。契約率は、64.3%となっており前月の72.2%よりもダウンしています。

1戸当たりの価格は、5,895万円で前年同月比6.3%のアップ。平米単価は93.1万円でこちらも16.4%上昇しています。また販売在庫数は7,748戸で前月比で519戸の減少。昨年の同月は6,443戸なので1,300戸超販売在庫は増えています。

例年、年度替わりと5月のゴールデンウィーク商戦前で販売が抑えられる4月ですが、今年はさらに消費税の駆け込み要因もあり4月の販売戸数は、データ上は抑えられています。

一方、「HARUMI FLAG」のモデルルームオープンなどでゴールデンウィーク商戦は比較的盛り上がりを見せたようです。

プラウドシティ越中島のエントランス

プラウドシティ越中島のエントランス

大規模マンションでは、江東区の大規模プロジェクト「プラウドシティ越中島」や江戸川区の「リビオシティルネ葛西」が完売するなど都心近郊の値ごろ感あるマンションの販売は堅調に推移しています。5月に入って「アクアブリーズ川崎」も完売しており駅アクセスが多少悪くても4000万円前後で購入できるいわゆる「目に優しい」マンションは売れ行きが堅調です。

今後の湾岸エリアでは、消費税前の引き渡しが可能な「パークタワー晴海」「プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー」などの進捗が進んでいくのでしょうか。

首都圏中古マンションは、前年同月比で成約件数が+6.3%、価格は+1.0%

東日本不動産流通機構発表の2019年3月度の首都圏中古マンション動向によれば、成約件数は昨年同月比6.3%増加の3,440件。成約価格は、1.0%上昇の3,399万円。成約平米単価が2.4%上昇の53.29万円です。前月比では、若干価格は下がったものの売行きは変わらず堅調です。

販売中の在庫件数も前月よりも1.2%減少し 47,191 件となっています。高値が続いているので新規登録件数は変わらず高水準で17,617件となっています。

なお成約平米単価53.29万円に対し新規登録物件の平米単価は58.43万円で、前月よりも2.7%高くなっており新築マンションの市況を反映してか価格設定が強気になっています。

2019年4月度の中古マンション成約平米単価の対前年同月比(出典:東日本不動産流通機構データ)

2019年4月度中古マンション成約平米単価の対前年同月比(出典:東日本不動産流通機構)

価格動向は、一律ではなく最も上昇度が高いのが多摩の+8.1%。一方で千葉県や横浜・川崎市は成約平米単価が前年同月比でマイナスになっています。中古マンションは個別性が強いため必ずしも実態を正確に反映しているわけではありませんが、すべての場所が上がっているわけではない点は留意が必要でしょう。

新築市場は、売れ行きの2極化顕著 「HARUMI FLAG」の影響は不透明

新築マンション市場を見ると、好調物件が目立つ一方で販売が長期化しそうなマンションもあります。価格上昇によって、魅力ある物件に人気が集中する傾向にあります。

大規模マンションでは、「SHINTO CITY」(シントシティ)「プラウドシティ吉祥寺」のような値ごろ感のある物件、タワーマンションでは「コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス」「プラウドタワー武蔵小金井クロス」「パークコート文京小石川 ザ タワー」のような複合再開発で付加価値の高いマンション、中規模マンションでは、「プラウド南阿佐ヶ谷」のように好立地で間取りの優れた物件が好調です。

「プラウドシティ吉祥寺」の完成予想模型

「プラウドシティ吉祥寺」の完成予想模型

都心が好調かというわけでもなく、価格上昇局面で納得感のある商品企画力に優れた物件でないと容易には売れなくなっています。一戸建ては価格上昇傾向は弱いですから郊外エリアではリーズナブルかつ商品力がないと販売は厳しくなっています。

「HARUMI FLAG」のモデルルーム公開がスタートしましたが、東京湾岸エリアではそれほど中古マンションの売りが出ていません。

ポータルサイトなどを確認すると影響しそうな晴海・勝どきエリアの代表的なタワーレジデンスで30戸以上の売り住戸があるのは、「ドゥ・トゥール」「勝どきザ・タワー」「ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス」「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」などの大規模タワーレジデンス。

一方、豊洲エリアでは、「スカイズ タワー&レジデンス」のような1000戸を超える大規模マンションは、一定の売り住戸があるものの「パークホームズ豊洲 ザ レジデンス」のような好立地の築浅物件は、売り住戸が僅かです。「HARUMI FLAG」の販売で住み替え需要はかなり発生すると見込まれますが、先高観を感じて購入するなら引き渡しが先なので、販売を待つ人も多いのかもしれません。

2極化傾向は、新築マンションに限ったわけではなく中古マンションにも見られます。マンションストック数の増加から年々中古流通マンションの成約平均築年数は上昇トレンドですが、2019年1月~3月期は前期の21.61年から21.03年と築浅になっています。

指名買いの多い郊外エリアの大規模マンションは、売り物件が少ないケースも。執筆時点(2019年5月22日)のアリオ川口に近接した川口の大規模レジデンス「リボンシティレジデンス」(868戸 2006年8月竣工)の販売中住戸は、わずか3戸です。

新築マンション市場と中古マンション市場は影響しあいますので、地域ごとにタイミングはあると思います。いつが買い時と思うのではなく、住みたいマンションに出会った時が買い時と考えるのがチャンスを活かせるポイントだと思います。

【編集後記】

4月は昨年と違い販売開始物件が少なかったせいもあり、新築マンション市場はやや盛り上がりに欠けたようですが、中古マンション市場を見ると堅調な動きは続いているようです。景気動向は不透明感がありますが、準備ができている方にとってはこういう時期はチャンスなのかもしれません。

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