新型コロナウィルスの感染拡大は、密閉・密集・密接を避けるためテレワークの導入など働き方に大きな変化をもたらしています。内閣府発表の「新型コロナウィルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(令和2年6月21日)によれば、全国でテレワークを経験した人は34.6%で、東京圏に限れば48.6%と半数近くに上ります。
また、世界的な感染拡大により移動が制限され2020年6月の訪日外国人旅行者数が前年比99%ダウンの2600人(政府観光局 訪日外客数の動向速報値)と大きく減少。外国人環境客の利用が多かった都心部のホテルの稼働率は大きく低下しています。
密を避ける新しい生活様式が求められるなかで、東急不動産グループの東急リゾーツ&ステイは、「東急ステイ」にてオフィス利用も可能な日中の客室利用「デイユース」プランをスタートしています。
また、都内店舗の一部と、札幌大通店、大阪本町店では、ベッドを設置せずより執務に集中できる環境を整えた「プライベートテレワークルーム」も用意。その一つ「東急ステイ銀座」を訪ねレポートします。
9時~19時の10時間利用で5千円台~ 20平米前後のゆとり空間でワークを
「東急ステイ」のコンセプトは、暮らすように滞在する都市型ホテル。最寄り駅まで徒歩5分以内の便利な立地で客室洗濯乾燥機などの長期対応の設備、そして最大2名利用可能な20平米前後のゆとりある広さが特徴です。
従来からビジネスユーザーが中心に宿泊していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、“宿泊を伴わない新たなホテル利用“の形の提案をスタートしています。
電子レンジ・ミニキッチンといった、中長期滞在に便利な設備が客室内に設置されています。12平米前後の広さが目立つ宿泊特化型ホテルチェーンと比較しても室内はゆったりとしています。
「プライベートテレワークルーム」は、オープンスペースがあってゆったりした印象。部屋にあったベッドを撤去しリフレッシュ用のバランスボールを設置。9時から19時までの10時間利用で、5千円台~の設定(取材時)。コワーキングスペースの個室料金と比べてもかなりリーズナブルです。
Wi-Fi環境ももちろん完備。まわりを気にせずにデスクワークができるので、WEB会議もスムーズに実施できるでしょう。
シャワーなどホテルならではの魅力も デイユースでの利用も可能
コワーキングスペースにない「プライベートテレワークルーム」の魅力がユニットバスでシャワーを浴びれること。2020年夏は、既に猛暑が続きますが帰宅前にシャワーを浴びてスッキリして帰ることも可能です。また、ちょっとした打ち合わせなら1階のカフェで実施可能。もちろん部屋内でも十分スペースがあります。銀座は、東京や六本木などのビジネスエリアにも近いので日中の移動もしやすいでしょう。
また、12時~19時利用のデイユースのホテルプランも用意されています。こちらは、ベットも置かれているので短時間集中してオフィスワークをしたい方には便利でしょう。利用料は、こちらも5千円台~と抑えられています。
4月の緊急事態宣言後以降にテレワークが一気に進みましたが、「新型コロナウィルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(令和2年6月21日)によれば、「在宅では仕事に集中することが難しい」とする人が17.8%に上るなど課題もあります。とはいえ、東京の1人あたりのオフィス面積は、12平米前後と狭くゆとりがあるわけではありません。こうした、「プライベートテレワークルーム」の活用は、企業にとって当面の解決策の一つになるかも知れません。
また、東急グループでは全国複数のホテルで旅先でリフレッシュしながらも仕事ができる「ワーケーション」プランを横断的にスタート。「旧軽井沢 KIKYO キュリオ・コレクション by ヒルトン」や一部の「ホテルハーヴェスト」で専用プランを販売。「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」では、リモートワーク応援機材を含む専用プランの販売が始まっています。
事業環境が大きく変わりwith コロナ時代の新しい生活様式が求められるなか、各社から様々なサービスが提案されています。新型コロナウィルスの影響は当面続きそうですが、スペースを活かしつつシェアすることで上手く乗り切っていきたいですね。
【関連サイト】 東急ステイ銀座 オフィシャルホームページ
【編集後記】
前々職で、銀座で延べ10年以上勤務したことがあるのでコロナ禍の中とはいえリーズナブルな設定に驚きました。銀座の喫茶店で打ち合わせといっても、注文で1000円を超えるようなお店が以前は大半だったので5000円台で10時間の設定は驚きです。自宅が必ずしもテレワークに向いているわけではないので、こうしたスペースは都心に拠点があるビジネスパーソンには魅力的かもしれません。
相変わらず、丸の内周辺や品川駅周辺はオフィスワーカーで密な状態が続いていますが観光客が中心だった銀座は平日は人がまばら。この状態がいつまで続くかわかりませんが空いているスペースを有効利用する動きは、今後も進むのではないでしょうか。