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「パークシティ中野 ザ タワー」反響1万件超PJのコンセプトルーム見学

どうなる2023年マンション市場 どうするマンション購入

コラム&インタビュー
「HRUMI-FLAG」 完成予想CG

2023年1月4日、東京証券取引所の最初の取引は、一時日経平均が400円以上下落するなど厳しいスタートとなった。2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻。その後の資源価格原油やガスなどのエネルギー価格の高騰。そして急激な円安と消費者物価の上昇など不動産市場を取り巻く環境は、この1年で大きく変化している。

不動産経済研究所発表の2022年の首都圏新築マンションの供給戸数は、前年比8.4%減の3.08万戸の見込みだ。ウクライナ侵攻直後は、供給の先送りが見られたもののマンション市場は、堅調さを維持している。「HARUMI FLAG」などリーズナブル感のあるプロジェクトには、人気が集まり2022年11月に行われた「HARUMI FLAG」第一工区 2 期 2 次の販売では、最高倍率105倍、平均倍率28.2倍と高倍率に。新築マンション価格の上昇もあり、中古マンション価格も上昇している。東日本不動産流通機構発表の2022年11月度の首都圏中古マンションの成約平米単価は、69.69万円で前年同月比14.4%の上昇。東京都区部は、14.9%の上昇の103.26万円。1平米あたりの価格が100万円を超えた。

新築マンションの在庫件数は、2022年11月末時点で、5079戸と低水準を維持。いっぽう首都圏中古マンションの在庫は、年初の3万5389戸から増加傾向が続き2022年10月度に4万戸を超え2022年11月末時点で4万1158戸となっている。

2022年12月には、日本銀行がこれまで±0.25%としていた長期金利の変動幅を拡大し±0.5%に。長期金利が上昇し、2023年1月度の金融機関各社発表の10年固定金利は、0.2%前後上昇している。今回は、2023年がスタートするにあたりマンション市場がどうなるのか。そして購入環境を踏まえどうするべきか筆者の考えを紹介したい。

東京23区の供給アップ 晴海のタワーなど湾岸エリアが活況に

不動産経済研究所の予測では、2023年の首都圏新築マンション供給は3.9%増の3.2万戸。東京23区、都下、千葉県が増加する見込みです。その中でも注目なのが都心や湾岸エリアの大規模、超高層物件の供給。2023年1月10日の発表をHP上で告知している「HARUMI FLAG」のタワー棟は、既に完成予想図にあるように地上50階建て全1,455戸のスケール。選手村の建物を改修した板状棟と異なり、新規に着工するため商品企画の自由度が高い。板状棟の最高階数は、18階のため多くの住戸から都心の開放的なビューが楽しめることも魅力だ。企画も建築費が高騰する前のため、期待できる。2023年の注目プロジェクトの上位に挙げられるだろう。

東京湾岸エリアは、ほかにも完売の目処が立ちつつある「パークタワー勝どきミッド・サウス」に加え2023年11月にHPが公開された「(仮称)月島三丁目北地区再開発プロジェクト」の販売も控える。東京メトロ有楽町線月島駅まで徒歩5分の地上58階建て総戸数1,285戸。非分譲住戸340戸、その他住戸30戸なので900戸を超える住戸が販売されることになる。完成年月は、2026年4月下旬予定、入居予定は2027年1月となっている。現時点の販売開始予定時期は、2023年7月上旬予定で「HARUMI FLAG」のタワー棟とは、販売時期が重なりそうだ。

また、湾岸エリアでは「豊海地区第一種市街地再開発事」の販売も控えている。2.0haの敷地には地上53階建て2棟構成、総戸数2,077戸の共同住宅、店舗、区民館、診療所や保育所に加え、防潮堤の新設や、約 4,200 平米の広場を設けるミクストユースの大規模複合開発。参加組合員に、三井不動産レジデンシャル、東急不動産、東京建物、野村不動産、三菱地所レジデンス、清水建設。権利変換計画認可時点のリリースによれば、着工は2023年1月で建物竣工は、2027年の予定。早ければ、こちらの販売も2023年中にスタートするかもしれない。

湾岸エリアでは、1年延期となっていた「HARUMI FLAG」の板状棟の引渡しが2024年に予定されており買い替えユーザーのマンション売却も一定数見込まれる。「ブランズタワー豊洲」などの販売で盛り上がった2020年のような選択肢の多い1年になりそうだ。

池袋、西新宿、浜松町など都心のタワーマンション供給が活況

また、都心エリアのタワーマンションの供給も活発だ。その一つが新宿エリアで、最注目なのが東京メトロ丸の内線新宿御苑前駅徒歩4分の「クラッシィタワー新宿御苑」。地上35階建て総戸数280戸のタワーレジデンスで、新宿御苑まで直線距離で約100mの近さ。「トミヒサクロス」や「ライオンズ四谷タワーゲート」など新宿御苑を望めるタワーマンションは。これまでもあったが、ここまで新宿御苑に近いタワーレジデンスは、筆者の記憶にない。既にHPは、公開されているがかなりの人気を集めるだろう。

「パークタワー西新宿」の完成予想CG

「パークタワー西新宿」の完成予想CG

また、西新宿エリアの再開発タワーも注目だ。総戸数428戸地上35階建ての再開発タワーであるシティタワー新宿の販売が2022年よりスタートしている。住宅・業務・商業・公園を整備する大規模複合開発。既に竣工済みで、入居が2023年6月と近いのも魅力だ。

2023年3月下旬販売開始予定の「パークタワー西新宿」は、新宿駅1.2㎞圏だけでなく建物の先進性でも注目のプロジェクト。地上40階建て総戸数470戸(一般販売対象戸数287戸)の超高層タワーレジデンスであるだけでなく、免震構造に加え一般販売対象住戸については、ZEH Orientedを取得予定。新宿副都心から富士山を一望する眺望も魅力だ。間取り は、1LDK~3LDK。専有面積は、42.48平米~108.88平米、予定販売価格 は、8,000万円~30,000万円(※1,000万円単位)。予定最多販売価格帯は、12,000万円台(※1,000万円単位)となっている。

そのほかにも、総戸数389戸(一般販売対象戸数364戸)、JR山手線浜松町駅直結の世界貿易センタービル建替一帯再開発タワー「WORLD TOWER RESIDENCE(ワールドタワーレジデンス)」や東京メトロ有楽町線「東池袋」駅まで徒歩1分、総戸数878戸(非分譲住戸105戸・その他住戸30戸含む)の再開発タワー「グランドシティタワー池袋」など注目の都心再開発タワーのラインナップが豊富だ。供給戸数は、大幅には増えないが都心タワーのラインアップが揃った2023年といえるだろう。

JR総武線平井、東武東上線大山などの再開発タワーもスタート

また、都心近郊の再開発プロジェクトも活況だ。なかでも注目なのが「シティタワーズ板橋大山ノースタワー・サウスタワー」と「プラウドタワー平井」だ。

「シティタワーズ板橋大山ノースタワー・サウスタワー」は、「大山町クロスポイント周辺地区第一種市街地再開発事業」で誕生する再開発プロジェクト。大山駅は、ハッピーロード大山商店街などにぎわいある街で知られているが、隣接街区に都市計画道路を挟んで商業区画を含む4つの街区を整備。住宅や子育て支援施設や広場を整備し地域活性化を図る。ノースタワーが地上25階建ての88戸、サウスタワーが地上26階建ての239戸。池袋駅まで3駅だが、直線距離で約2.3㎞圏と近くタクシーでもアクセスしやすい。大山駅周辺では、周辺の線路高架化による約1.6km区間の連続立体交差事業が予定されているほか再開発計画もあり街の将来性も期待できる。

「プラウドタワー平井」の完成予想CG(出典 公式HP)

「プラウドタワー平井」の完成予想CG(出典 公式HP)

「プラウドタワー平井」は、JR総武線「平井」駅北口駅前広場に面した約 0.7ha の区域で開発が進む「平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」の住宅分譲。平井駅徒歩2分に立地し、建物は、免震構造の29階建て総戸数374戸(非分譲住戸106戸含む)。1.2階に商業施設、3階には子育て支援施設が入りにぎわい広場なども整備される。東京駅7.5㎞圏と都心アクセスも良好だ。

三田ガーデンヒルズや番町エリアなど高級レジの分譲も活発

2023年は、都心エリアの高級レジデンスの分譲も活発化する。既に高額住戸の案内が始まっている港区の大規模高級レジデンス「三田ガーデンヒルズ」に加え千代田区の邸宅街でも供給が活発化する。

既に、分譲が始まっている「ザ・パークハウス グラン 三番町26」の隣接街区では、地上18階建て総戸数193戸(一般販売対象145戸)の大規模レジデンス「パークコート ザ・三番町ハウス」の販売が予定されている。総戸数193戸は、番町エリア最大規模で、豊かな植栽や多彩な共用施設が用意される。借地期間新規70年の一般定期借地権分譲。このスケールでの供給は、総戸数168戸で人気を集めた「パークコート千代田四番町」を上回り注目を集めるに違いない。

「ブランズ千代田富士見」の完成予想CG(出典 公式HP)

「ブランズ千代田富士見」の完成予想CG(出典 公式HP)

九段下駅と飯田橋駅の間に立地する「ブランズ千代田富士見」も注目のレジデンス。免震構造を採用した地上18階建の全69邸。環境性能を追求したZEH Orientedを採用している。隈研吾氏を起用したデザイン性の高さも魅力。外観デザインのテーマを「豊かな緑の中に浮遊する厳かな⽯のヴェール」とし、陰影を建物に纏わせることで、周辺の⾃然や敷地内の植栽との⼼象的なつながりを演出するなど細やかな提案が光る。駐車場設置率100%や階高を確保することで高い天井高などゆとりある空間づくりも高く評価できる。

都心エリアで、これだけ魅力的なマンションが揃う年は、珍しい。お金を掛けてでも魅力的なマンションを買いたい人にとって2023年は、選択肢が豊富なタイミングだろう。

郊外エリアは、やや上昇も2023年上期の相場の変化は小さい

2023年のほかのエリアはどうだろう。山手線へ20分から30分程度でアクセスできる通勤利便性の高い立地のマンション価格は、2023年も上昇が続きそうだ。いっぽうで、東武東上線のふじみ野市や京葉線の千葉市など大規模マンションの分譲の継続期が続くエリアは、値ごろ感ある価格帯の供給が続きそうだ。

例えば、総戸数708戸の「Brillia City ふじみ野」の第2期10次以降の予定価格は、2,900万円台~6,000万円台(予定) 。京葉線稲毛海岸駅徒歩13分の総戸数299戸の大規模レジデンス「ザ・ガーデンズ稲毛海岸」の先着順住戸は、2950万円~3370万円(2023年1月5日時点)。ともに3,000万円台(1千万円単位)が中心価格帯で、十分ファミリー層で手が届く価格帯だ。

供給戸数が、大きくは増えない中で地域ごとに需給バランスが大きく異なっている。同じ埼玉県内でも、沿線や駅ごとに相場観に違いがあるので予算に応じて検討エリアを拡げることも必要だろう。

準備が出来ているなら、前向きにマンション購入を検討しよう

2023年4月には、異次元の金融緩和の指揮をとってきた日本銀行の黒田総裁の退任が予想されている。2022年12月に長期金利の変動幅を引き上げたように、マイナス金利などの金融緩和の修正も徐々に行われるかもしれない。購入環境を含め、マンション購入を考えている人は、悩ましいところだろう。筆者は、自己資金の確保などマンション購入の準備が出来ている人にとって、2023年は買い時であると考える。それは、2024年や2025年よりも購入環境が良いと考えるからだ。

まず価格面だが、工事費は着工時点では既におおよそ確定しているため、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻の影響が建設費に影響していないマンションがまだ多い。小・中規模なら2023年下半期、大規模マンションなら2024年以降は、建築費上昇の影響をかなり受けるため価格上昇かもしくは、食料品などに見られるステルス値上げ(仕様を下げるなどして建築原価を抑える)が行われる可能性が高い。

また、入居時期に応じて、住宅ローン控除も縮小される見込みだ。省エネ基準適合住宅で2023年入居であれば4,000万円だった借入限度額は、2024年入居であれば3,000万円に。長期優良住宅などは、引き下げ額が500万円と小さいが数は限られる。金利上昇局面で、住宅ローン控除のメリットは大きいので留意したいポイントだ。

気になる金利の動向だが、為替が再度大きく円安に進むなど外部環境に変化が無ければ、大きな変動は筆者は無いと考える。ただし、この状況がいつまでも続くとは考えにくく、変動金利一択の返済計画は、支払い能力や保有資産を踏まえてよく検討したほうが良いだろう。

金利が上昇すると、不動産価格が下がるという見方もあるがマンション価格が下がったとしても金利が上昇すれば返済負担は増える。また、金利が上昇することで借入金に大きく依存するマンション事業の収支計画が影響を受ける。結果的に、マンション供給が減れば需給バランスの面で価格が高止まる可能性も考えられる。下がるまで待つという選択は、安易に考えるべきではないだろう。

筆者は、平成元年のバブル期まっただ中で不動産業界に入り当時の価格高騰を経験しているが、当時に比べれば中古マンションストックに厚みがあり新築・中古ともにマンションが十分選べる状況だ。価格上昇で動きが鈍く、値下げして早期の成約を目指す中古マンションもあり売り手優位という状況も崩れつつある。光熱費や食料品の値上げが顕著になった2022年10月以降、堅調が続いたマンション市場にも変化が出てきているが、これをチャンスと捉えて物件を探せば予算にフィットするマンションが見つかるかもしれない。

2022年の出生数が、80万人を割り込むなど日本の先行きが明るいとはいえないが、人生は一度きり。読者の皆さんが、2023年に幸せになれるマンションに出会えることを強く願う。

 

【編集長コメント】
食料品など物価の上昇が顕著になっているが、価格上昇が給与を押し上げている業界もある。その一つが東京のタクシー業界だ。年末年始に数度、利用したが懐事情が良いと聞く。年始に初詣の移動で利用した運転手さん曰く12月は、1台当たり勤務先の過去最高売上だったとのこと。要因は、エネルギー価格上昇を受けたタクシー乗車料金の15年ぶりの改定。11月14日に改定され初乗り運賃が420円から500円に。実に、14%を超える改定率となっている。コロナ禍で東京都のタクシー台数は、約2割減少。利用客がコロナ禍前に戻りつつある中で、搭乗率も高まっているとのこと。最低料金が上がったことで、短距離利用者が減ったことも売り上げ増に寄与しているという。1日7万円~8万円の売上で上出来のところが、10万円を超える日も。中には、14万を超えた人もいるという。給料は、固定給+歩合給のため過去最高の月収になる人も多いようだ。経済界の年始のコメントでは、給与の引き上げを公言している経営者も多い。2023年は、30年以上も続いたデフレ脱却の足掛かりの年になるかもしれない。