『街とマンションのトレンド情報』をタイムリーに発信します。

記事本数計400本! 100万PV超 
かけがえのない人生に豊かさと自由を
より良き『住まい・社会・未来』

「パークシティ中野 ザ タワー」反響1万件超PJのコンセプトルーム見学

宮益坂ビルディング建替え支援 第 9 回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2023 「準グランプリ・金賞」受賞

「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」の外観 ニュース&トピックス
「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」の外観

旭化成不動産レジデンス株式会社は、株式会社 環境企画設計、株式会社 日建ハウジングシステム、および戸田建設株式会社 と共に推進してきた「宮益坂ビルディング」建替え事業が、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会主催の「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2023」において、「準グランプリ・金賞」 を受賞した。

強靱化(レジリエンス)に関する先進的な活動を発掘・評価

「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)」とは、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会により、次世代に向けたレジリエンス社会を構築するために全国各地で展開されている“強靱化(レジリエンス)”に関する先進的な活動を発掘・評価し、表彰する制度。一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会は、国土強靭化担当大臣私的諮問機関「ナショナル・レジリエンス懇談会」の結果を踏まえ、 「国土強靭化基本計画」が円滑に達成されるよう、産、学、官、民のオールジャパンでその叡智を結集し、非常時のみならず平時での戦略的活用の方策を創造することにより、公共投資、民間投資が最大限に相乗効果を発揮し、レジリエンス立国を構築していくことを目的として設立された。

宮益坂ビルディングは銀座線渋谷駅と宮益坂通りの間に位置し、建物の老朽化が進み、外壁の剥落により人や交通を危険に晒していたため、建替えの検討を進めていたがリーマンショックで中断するなど、困難を極めた。再検討では事業コンサルタントの環境企画設計を招き、2011 年には旭化成不動産レジデンスが事業協力者に選定され、合意形成・課題解決を進めた。マンション建替円滑化法に基づく組合施行方式による事業で、施行再建マンションは耐震化による都市の安全性向上に加え、ヒカリエデッキと宮益坂通りを繋ぐ都市動線を有し、新たな人の流れと賑わいを生みだす持続可能な住まいを創ることを目指した。

日本初の分譲マンションといわれる宮益坂ビルディングは 1953 年に竣工。当時、周辺建物が木造2 階建てであった中、RC 造 11 階建ての本建物は、「渋谷都市の文化的生活者のための最新設備を持つ日本初ハイグレード分譲マンション」だった。一方で、建替えに当たり 区分所有法制定前の建物であり専有部と共用部が別登記であったことや 底地を東京都が所有する形態であったこと、 住戸だけでなく、店舗や事務所の区画も多く、権利変換に向けた評価基準の調整が必要など様々な課題があった。また、老朽化も著しい中、外部居住の区分所有者が大半を占める状態での合意形成には、長い期間を要した。

宮益坂ビルディング-ザ・渋谷レジデンスのエントランスホールから見た宮益坂

宮益坂ビルディング-ザ・渋谷レジデンスのエントランスホールから見た宮益坂(筆者撮影)

旭化成不動産レジデンスは、マンション建替えの実務経験が豊富な担当者が、グループ企業内の戸建請負事業等も含めて培われた合意形成力を活かして、社員自ら区分所有者と応対。事業コンサルタントの環境企画設計と共に、全体説明会13回、個別相談5回、計画変更7回にも及ぶ粘り強い合意形成活動を行い、その結果建替え決議では約9割の賛成で成立を果たすことができた。

ヒカリエデッキとの接続部

ヒカリエデッキとの接続部(筆者撮影)

銀座線の上部にヒカリエデッキを新設したことにより、渋谷駅東西の往来がしやすくなった。また、同デッキと宮益坂を行き来できるよう、館内の貫通動線を提案することで、災害時の防災動線を確保した。こうした都市動線の強化は、新しい人の流れと賑わいも創出した。

2021 年末時点、わが国のマンションストック約 686 万戸のなかで、耐震性に不安のある旧耐震マンションが約103万戸存在すると言われています。これらの耐震性の確保と再生は、都市部の安全対策における喫緊の課題。しかし、課題解決の手段のひとつである「建替え」については、2022年4月時点での実現数は270件(実施中も合わせて 311 件)に留まっている。

旭化成不動産レジデンスではマンション建替えを基幹事業のひとつとして取り組んでおり、支援しているマンション建替えは竣工・着工ベースで 42 件(同年4月時点)であり、全国の建替えの約 1/8 を占める。マンション建替えは、区分所有者の自発的な活動で進められるものだが、実現には専門家のサポートが欠かせない。同社は、2011 年に「マンション建替え研究所」を設立し、マンション建替えに伴う事例や課題に関する情報発信を継続的に行うと共に、検討初期からの相談対応や合意形成を含めたサポートを行っている。こうした知見と経験と実績の積み上げが、今回の受賞にもつながっているのだろう。

なお、同賞の「最優秀賞」は、旭化成ホームズ少額短期保険が開発した独自の保険商品とサービス体制で災害時の安心提供を強化する取り組みだった。都市の防災強化には、将来を見据えた街づくりが欠かせない。強靭化アワードを契機に、防災力を高めた都市再生が進むことを願う。

 

参考記事 宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス 日本初分譲マンションの建替え