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賃貸マンションに災害時に迷わず活動するための防災ツール「FMB」設置 「ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデン」竣工 

マンション探訪記
ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンのFMB(ファーストミッションボックス)の実演の様子

三菱地所レジデンス株式会社は、災害時に居住者同士が行動に迷わず助け合うための防災ツール「First Mission BoxⓇ(ファーストミッションボックス)(「FMB」)」を設置した「ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデン」が竣工したことを発表した。現地で行われた説明会に参加。防災ツールのメリットを紹介します。

※First Mission BoxⓇは、長野県飯田市と株式会社危機管理教育研究所により考案されたもの。

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンの案内図

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンの案内図

賃貸マンションに多い、一人暮らしで不安、つながり薄いの課題を解決

「ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデン」は、東京メトロ丸ノ内線「中野富士見町」駅 徒歩4分の地に建つ全115邸の大規模賃貸レジデンス。新宿など都心へのアクセス良好で、敷地内の植栽帯を臨みながら、仕事や休憩に使用できるコワーキングラウンジを設けるなど新しいライフスタイルにも対応した企画が魅力の物件だ。

注目ポイントは、大規模な災害があった際に居住者同士で迅速に初期活動をするための指示カードが入ったツール「FMB」(ファーストミッションボックス)と長引く被災生活を想定して「Second Mission Box(セカンドミッションボックス)(以下「SMB」)」を制作し導入していること。同社での「FMB」と「SMB」は賃貸マンションに初導入となる。

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンのFMB(ファーストミッションボックス)の一部

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンのFMB(ファーストミッションボックス)の一部

都市部の賃貸マンションでは、一人暮らしで不安、居住者同士のつながりが薄いため災害時に心細い、管理組合がなく居住者による組織が組成しづらい、などの声も多い。

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンのFMB(ファーストミッションボックス)の案内

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンのFMB(ファーストミッションボックス)の案内

「FMB」は、災害時(震度5強以上の地震を想定)に共用部に設置されたボックスを開け、中に入った指示カードの通りに動くことで、自然とその場に集まった居住者同士で災害時の初期活動を実施することができる仕組み。指示カードには、「本部の設営」からマンション内の「安否確認」「救護活動」のほか、阪神淡路大震災・東日本大震災等の被災地の声と経験から学んだ災害時に困ったという「トイレの設置や運用」「防犯対策」の対応をどのように行動すればいいか、専門知識や経験がなくても誰にでもできるような内容になっている。

近所との関係が希薄になりがちな単身世帯や、居住者による組合組織がない賃貸マンションでも、万一の時に取るべき行動に迷うことなく、居住者同士で迅速に活動するための初動期のオペレーションを実行することができる。

また、その後も被災生活が長引く可能性があるため。被災生活において困ることが想定される「水の確保」「物資の確保・情報の収集」「ゴミの保管」「健康管理」をテーマに、「SMB」も併せて設置している。

さらに、太陽光発電で蓄電した電力を災害時に活用するシステムの構築、各住戸用の備蓄ロッカー(MY防災倉庫)の設置などを行い、ソフト・ハードの両面から災害に備えている。各住戸用の備蓄ロッカーは、各自の災害用品の備蓄スペースとして利用できる。コワーキングラウンジは、「FMB」の設置場所ともなっており、災害発生時には防災拠点として活用する想定としている。

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンの各住戸用の備蓄ロッカー(MY防災倉庫)

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンの各住戸用の備蓄ロッカー(MY防災倉庫)

1階にある防災倉庫には「本部の設営」に必要となるLEDライトセットや発電機、「安否確認」「救護活動」で使用する救出工具セットや応急処置セット、ヘルメットやヘッドライトなど、マンション全体で利用する防災備品を備えている。また、「トイレの設置や運用」を想定して、マンホールトイレの他、荒天時や屋内での使用が可能な簡易トイレ、自宅での使用を想定した災害用トイレ処理セット(凝固剤)を備えるほか、「防犯対策」を想定した照明器具を備えている。

「FMB」の指示カードは、これらの備品がどこに格納されているか、備品をどのように使うかといった内容になっているので、誰でも指示に沿って使うことで、災害時の対応に活用できる。

【物件概要】
名      称:ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデン
所 在 地:東京都中野区弥生町2丁目49番5(住居表示)
交  通:東京メトロ丸ノ内線「中野富士見町」駅(1出口)徒歩4分
東京メトロ丸の内線「新中野」駅(1出口)徒歩11分
構造・規模:鉄筋コンクリート造地上14階建
総賃貸戸数:住戸115戸
間 取 り:1K(74戸)、1LDK(26戸)、2LDK(15戸)
専有面積:25.08㎡~51.84㎡
駐 車 場:11台、他にサービス用車両区画1台
駐 輪 場:148台
ミニバイク置場:8台
竣  工:2023年8月
入居開始:2023年9月
事業企画:三菱地所レジデンス株式会社
設  計:株式会社IAO竹田設計
施  工:村中建設株式会社
貸  主:三菱地所ハウスネット株式会社

 

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンのエントランスファサード

ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデンのエントランスファサード

実際に、FMBの実演を見てみて、リアルなロールプレイングゲームに参加しているようだった。まず、最初にカードを見た人が「本部長」に就任。本部長のベストを身に着け、防災倉庫を開けて次のミッションへ進んでいく。居合わせたメンバーで役割を決め、避難者名簿をつくり安否確認をしていく。ミッションが整理されているので、漏れが無く対応できるメリットがある。

分譲マンションと異なり、賃貸マンションには管理組合が無く誰が住んでいるのかも住民同士が知らないケースがほとんどだ。いざというときの策が用意されているのは、安心感がある。

坪賃料は、おおよそ1万5千円前後。25㎡台の1Kタイプの中層階で賃料11万円前後+管理費が1万5千円だ。7月からHPを公開し9月から53戸の募集がスタート。既に募集住戸の約8割に申込が入っているという。都心部のマンション価格が上昇していることもあり、質の高い賃貸マンションの募集は堅調だ。防災対策の充実は、今後の賃貸マンションの付加価値になりそうだ。