住友不動産株式会社が、東京都中野区中野二丁目で事業を推進する「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」におけるオフィス棟と住宅棟が今春竣工しました。中野駅の南口駅前の交通利便性の高いロケーション。業務棟である『住友不動産中野駅前ビル』は、地上20階建て地下2階、住宅棟である『中野ステーションレジデンス』は、ペデストリアンデッキ直結の中野駅徒歩2分で地上37階・地下2階、総賃貸戸数396戸の大規模賃貸レジデンスです。現地を訪ね、その魅力を紹介します。
■住友不動産中野駅前ビル
所在地 東京都中野区中野二丁目24番11号
交通 JR中央線・総武線、東京メトロ東西線「中野」駅 南口 徒歩1分
竣工 2024年2月29日
階数規模 地上20階、地下2階
敷地面積 1,717.23坪(5,676.67㎡)
基準階貸室面積 532,23坪(1,759.52㎡)
延床面積 15,064.65坪(49,799.23㎡)
総貸室面積 7,983.57坪(26,391.30㎡)
設計・管理/施工 株式会社アール・アイ・エー/西松建設株式会社
■中野ステーションレジデンス
所在地 東京都中野区中野二丁目24番9号
交通 JR中央線・総武線、東京メトロ東西線「中野」駅前ペデストリアンデッキ直結
敷地面積 4,404.85㎡(1,332.46坪)
延床面積 49,991.87㎡(15,122.54坪) うち住宅専有面積27,009.54㎡(8,170.38坪)
階数規模 地上37階、地下2階
総戸数 396戸
間取り 1K~4LDK
専有面積 26.67㎡~168.58㎡
竣工 2024年2月29日
入居開始 2024年3月15日
施工者 西松建設株式会社
中野駅周辺では、11件ものまちづくり事業が進行中 オフィス棟は満床
中野駅周辺では、現時点で11ものまちづくり事業が進行しています。その中で、工事完了がもっとも早いのが中野区新庁舎の建て替え。建物は竣工済みで、2024年5月には、新庁舎への移転が完了します。そして、中野二丁目地区の市街地再開発事業もほぼ同時期に工事が完了。駅前広場の整備など周辺で行われている中野二丁目土地区画整理事業も2025年に工事完了予定となっています。
さらに、中野駅西側南北通路・橋上駅舎事業や囲町東地区第一種市街地事業など多くのプロジェクトが進行中。住友不動産中野駅前ビルからは、橋上駅舎事業や囲町東地区第一種市街地事業で誕生する再開発街区「パークシティ中野」などダイナミックな街の変化を眺めることが出来ます。
中野二丁目地区の従前には、商業・業務施設のほか築60年を超える大規模な公社住宅の団地が立地していました。また、高低差がある地形で駅前広場は、バス・タクシーの交通空間が不足し歩行者と自動車の導線が交錯していました。市街地再開発事業と土地区画整理事業を一体施行することで、交通結節機能の強化と都市機能を集積した複合施設の整備が進められています。
JR中央線と東京メトロ東西線が利用可能で、新宿駅へ4分、東京駅へ18分、大手町駅へ20分で直通アクセスできる利便性の高さからオフィスフロアはすでに全フロアに申込みが入り満床とのこと。ITや金融、エンターテイメント、製薬業界など様々な業種の企業が拠点として活用するとのこと。これまでオフィスが不足していた渋谷駅と同様に、企業ニーズが高かったようです。
免振構造採用の賃貸レジデンスは、天井高約2.7mのゆとり 約3割に申込み
賃貸棟である「中野ステーションレジデンス」の魅力は、ペデストリアンデッキ経由で中野駅へ徒歩2分の駅アクセスと天井高約2.7m(プレミアムフロアは、約3m)のゆとりの居住空間。免震構造を採用し1K~4LDKまでの様々な間取りを用意。フロントサービスも用意され、タクシーの予約やクリーニングの受け渡しなども可能だ。また、共用施設としてはフィットネスルームやコーチエントランスも設けられている。また、21階以上の住戸には各階に宅配ボックスが設置されている。
筆者は、22階の2ベットルーム(81.23㎡)のモデルルームと37階の4ベットルーム(211.15㎡)の部屋を見学したが、周囲に高層建物が少ない立地だけにとても開放的。特に東向きは新宿方面の高層建物が一望で、東急歌舞伎町タワーなど新スポットも視界に入る。新宿副都心は、駅周辺での大規模な再開発が進行中で、中野駅に限らず都心の街の発展を眺められるのも此処に住まう醍醐味だろう。
各住戸の賃料イメージは、約27㎡の1K タイプが約16万円台、約48㎡の1LDKタイプが約30万円台、約72㎡の2LDKタイプが約50万円台とのこと。約210㎡の4LDKタイプは、約210万円とのことで坪賃料は、2万円台半ばから高い部屋で3万円を超える設定。既に約3割の住戸に申込みが入っており、駅前立地が高く評価されているようだ。
申込者の傾向は、コンパクト住戸は、新宿や大手町勤務の単身者や地方富裕層の子息など。広い住戸は、会社経営者や弁護士、医師などの富裕層が目立つという。中野マルイや中野サンモール商店街などがあり生活利便性の高い場所でもあり、富裕層の賃貸ニーズを捉えているようです。
事業者である住友不動産は、賃貸事業を強化しており2024年の賃貸住戸数は、6,462戸になる見込み。2009年の2,763戸から大幅に賃貸戸数を増やしています。中野ステーションレジデンスに限らず、競争力の高い駅前立地は賃貸住宅として開発されるケースが都心部では目立ちます。資金力のある富裕層なら、フロントサービスの充実した賃貸を選択する人が、今後も増えてくるのではないでしょうか。
参考記事
「中野駅前大規模複合再開発の 2 棟構成全 807 戸「パークシティ中野 ザ タワー」 事前案内会開始」