東京五輪が8月8日に閉幕しました。マンションの秋商戦がスタートする中で、全国の新型コロナ感染者数が拡大。緊急事態宣言も8月25日時点で8県が追加され、21都道府県が指定されることになります。
その中で、首都圏の中古マンション市場はやや異変の兆しが見られます。2021年7月度の成約件数が対前年比でマイナスとなり、中古マンションの在庫も増加しています。2021年7月度の首都圏マンション市場を紹介します。
2021年7月度成約件数は、対前年比-4.9% 平米単価は8.4%上昇
公益財団法人東日本不動産流通機構より、 2021年7月度の首都圏不動産流通市場の動向が発表されました。中古マンションの成約件数は前年同月比4.9%の減少の3,002件となっています。
また、成約平米単価は前年同月比で8.4%上昇の60.71万円。高止まりが続いています。成約価格も対前年で上昇しており、前年同月比7.9%上昇の3,913万円となっています。
また、新規登録物件数は対前年同月比で減少傾向が続いています。2021年7月度の新規登録物件数は、対前年同月比-10.4%の13,723件。2021年7月末時点の在庫件数は、 34,159件で1年前と比べ23%減少しています。
しかし、成約件数の減少もあってか2021年6月度の在庫件数33,641件よりは在庫物件数は増加しており、2020年5月度以来となる1年2カ月ぶりの増加。価格上昇トレンドは続いており、一過性のものかもしれませんが新規売り出し件数の13,723件は、2021年で最も多い件数となっています。
エリア別の成約平米単価の価格動向を見ると、東京都は82.14万円と前年比で10.2%上昇、神奈川県は、48.86万円と前年比で 6.2%上昇、埼玉県は34.77万円と前年比で8.4%上昇、千葉県は31.33万円と前年比で13.3%上昇となっています。なお、成約件数は全ての地域が対前年同月比で減少しています。
新築マンションの供給は対前年比6.3%減少の1,952戸 価格は上昇
不動産経済研究所が発表した2021年7月度の「首都圏 新築マンション市場動向」によれば、2021年7月度の首都圏新築マンションの供給戸数は、昨年同月比6.3%減少の1,952戸。平均価格は、対前年同月比6.1%アップの6,498円となっています。また、平米単価は、98.4万円で前年同月比7.8%アップしています。
初月契約率は、68.3%と好不調の目安とされる70%近辺。前月(72.5%)では、4.2ポイントのダウンとなっています。なお販売在庫数は、6,087戸で前月よりも308戸の減少。新築マンションの好調さは、続いていると言えるでしょう。
東京五輪が終わり、「晴海フラッグ(HARUMI FLAG)」の販売が再開されますが東京五輪開幕前後に週あたり500件から700件程度だった反響数は、閉幕後に週あたり1,000件前後に伸びているとのこと。購入マインドに衰えは見えません。
なお、「晴海フラッグ」では、感染症予防対策としてタブレットの利用を避けるなどパビリオンをリニューアル。接客する組数を限定し、検温を実施するなど安全対策に万全を期しています。
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ただし、中古マンションの在庫減少トレンドが弱まったように、物件の選別化は進むのではないでしょうか。
マンション市場以上に好調なのが一戸建てマーケットです。2021年7月度の中古戸建住宅の成約価格は、前年同月比12.2%アップの3,495万円。成約件数も前年同月比6.6%増加の1,248件。中古マンションの上昇率7.9%を上回っています。
中古戸建住宅の在庫件数も前年同月比32.5%減少の13,912件。中古マンション以上に在庫が減っています。新築住宅の売れ行きも堅調で、コロナ禍での戸建て志向の根強さを感じます。
今後、留意したいのは、住宅ローン控除の拡充の契約期限が2021年11月末に迫っていること。住宅ローン控除の10年+3年適用は、2022年12月末までの引渡し物件が適用可能で対象物件も限定されています。これからマイホームの購入を検討している人は、制度をよく確認することをおすすめします。