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「ザ・パークハウス 晴海タワーズ」2 物件合同防災訓練を実施

防災訓練の様子(そなえるかるたのワークショップ) ニュース&トピックス
防災訓練の様子(そなえるカルタのワークショップ)

三菱地所レジデンスと三菱地所コミュニティは、2024年1月21日に、東京都中央区晴海エリアにおいて「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」(総戸数 883 戸)、「ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス」(総戸数 861 戸)の防災会・管理組合・自治会と協働し、2 物件合同で防災訓練を実施しました。筆者も実際の訓練の様子を現地で見学。訓練の内容を紹介します。

安否確認のあと、備品を実際に組み立て マンション内の防災ツアーも

いつ起こるか分からない災害に備えるために、マンション内・マンション外の「地域の繋がり」が大切になると考え、昨年に続き 2 回目の合同訓練の実施となります。訓練では発災直後から被災生活まで想定した内容で、安否確認のあと、水消火器訓練、災害時にマンション内にいる居住者同士で助け合えるよう防災倉庫に備えている備品を実際に使いながら身体で覚える訓練、自宅の備えを考えるワークショップなどを行いました。その後実施したマンション内の防災ツアーでは、マンションの地下から屋上まで約 10 か所の防災設備を見学しました。

防災訓練の様子(マンホールトイレの組み立て)

防災訓練の様子(マンホールトイレの組み立て)

東日本大震災や 2019 年の台風 19 号で、マンションの「外」の繋がりにも助けられた被災地の事例も
あり、隣同士に並ぶタワーマンションがお互いのノウハウを共有しながら連携し、防災訓練を通じて顔見知りを増やしながら「災害時に地域で助け合う」ことを目指しています。

同マンションでは、2023 年 2 月に初めて 2 棟合同訓練を実施し、防災訓練の準備を通じて両マンシ
ョンの防災担当者の関係性を構築。周辺マンションと連携・情報交換をしながら「まちで助け合う」エリア防災を広げていくことを目指しています。

■今回の訓練の特徴
① 被災生活まで想定し防災倉庫に備えている備品を使った訓練を行いマンションの防災力を高める
② 被災地で非常に困ったというトイレのワークショップを実施し、家族に必要な備えを考える
③ マンションの地下から屋上まで約 10 か所の防災設備を見学し、建物の理解を深める

主催:「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」管理組合・自治会「ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス」管理組合・自治会
協 力:三菱地所グループの防災倶楽部・東京消防庁臨港消防署
内 容:9:00 ~各マンション安否確認・「各階対策チーム」による安否確認集計 10:00~晴海防災スタンプラリー ・マンホールトイレ組立、凝固剤(非常用トイレ)体験、浄水装置体験、発電機・LED 投光器・無線機、布担架・救出工具セット・ウォータータンクなど防災備品体験、「そなえるド
リル」ワークショップ、水消火器訓練、備蓄品展示等 13:30~晴海防災ツアー・防災センター→非常用発電機施設・電気室・消防用ポンプ・受水槽・給水ポンプ・免震ピット→地域用防災備蓄倉庫→高層用 ELV 非常時着床場所・各階防災倉庫→ホバリングスペース

防災訓練の様子

防災訓練の様子

各マンション安否確認・集計訓練では、安否確認シートを住戸の扉に貼り出し、あらかじめ定めた居住者の担当者が巡回して、安否確認情報を収集。災害時に停電してしまうとエレベーターが使えず、タワーマンションは上下移動が特に困難に。「各階対策チーム」を設けブロック毎に水平移動で効率的に活動するため、各フロアーの住戸を確認し本部に報告する一連の流れを訓練。そして、最後に 2 物件で安否確認を共有し、情報連携を実施しました。

マンホールトイレ組立訓練では、防災倉庫に備えているマンホールトイレを実際に体を動かして組み立て。さらに、凝固剤(非常用トイレ)体験・布担架・救出工具セット・ウォータータンク体験では、水を使わないトイレの凝固剤体験や、防災倉庫にどんな備品がありどんな時に使うのか実際に備品に
触れる体験を行いました。

参加者には、多くの気づきがあったようで、「トイレの凝固剤を備えていたけど家族分を考えると全然足りていないことが分かった。早速備えたい。」「大きなウォータータンクがあった方がいいと思っていたが、実際に 20ℓ を持ってみるとかなり重いことに気がついた。水を多めに備えたい。」「自宅の備えを見直す機会になった。」「防災ツアーでは見たことがない場所ばかりで知らないことも多かった。マンションのことを理解することができた。」などの声が挙がっていた。

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、甚大な被害が発生し1月23日時点の死者は、233名。住家被害は、一部破損を含めると13,931棟にも及ぶ。避難者数は、15,540人にも上り水道などライフライン停止の影響は甚大で、断水戸数は最大約74,500戸だった。

マンションは、地震には強いとされるがライフラインが途絶えればトイレなど生活に困難な状況が続く。地震に備える意識を持つためにもこうした防災訓練は有効だろう。都市部では、インフラが整っているいっぽうで、住民同士のつながりが希薄な部分がある。そうした面でも、スケールの大きな防災訓練は有意義だろう。

防災訓練の運営をサポートした三菱地所レジデンスでは、社員有志によるボランティア組織「三菱地所グループの防災倶楽部」を 2014 年 10 月に立ち上げ、現在は三菱地所レジデンスと三菱地所コミュニティ約 140 名の社員で取り組んでいる。防災倶楽部はマンション管理組合に対し新たな訓練メニューなどを提案しており、これまでに三菱地所コミュニティが管理するマンション 127 物件・41,701 世帯を対象とした防災訓練をサポート。こうした防災力強化のための活動は、顧客メリットが大きいだろう。1923年に発生した関東大震災からすでに100年が経過した。首都圏での防災への備えは、まさに今、必要なのかもしれない。

 

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