不動産経済研究所発表の「全国マンション市場動向 2020年のまとめ」によれば、 2020年に全国で発売された新築マンションの供給戸数は、対前年比15. 2%減の5万9,907戸に。コロナ禍の影響もあり1976年以来の低水準になりました。
エリア別では、 首都圏12.8%減、近畿圏15.8%減の一方で東海・中京圏は15.8%増と回復。全国の平均価格は、前年比3.8%アップの4,971万円。4年連続で最高値を更新しています。発表された2020年のマンション供給動向を紹介します。
首都圏、近畿圏、北海道、東北、関東、中国、九州・沖縄が減少
2020年の1月~12月に全国主要都市で発売された民間マンションは5万9,907戸。 過去最多は’94年の18万8,343戸で、2019年(7万660戸)に比べて1万753戸(15.2%)の減少となっています。首都圏、近畿圏、北海道、東北、関東、中国、九州・沖縄が減少しています。
地域別では、東海・中京圏が5,386 戸と15.8%増、北陸・山陰地区が554戸と22.3%増、四国地区が1034戸と122.4%と増加。中でも、四国の高松市は中堅デベロッパーの供給が相次ぎかつてないほどの供給ラインナップになっています。
1戸当りの価格は4,971万円で、前年(4,787万円)比184万円、3.8%のアップ。1戸当たりの㎡単価は75.8万円で前年比3.2万円、4.4%のアップ。 平均価格は4年連続、㎡単価は8年連続の上昇で、いずれも4年連続で最高値を更新しています。
全国の売主・事業主別供給戸数は首位がプレサンスコーポレーション(4,342戸)で、第2位は野村不動産(3,791戸)、第3位は住友不動産(3,512戸)、 第4位は三井不動産レジデンシャル(2,334戸)、第5位はエスリード(2,151戸)。プレサンスコーポレーションは初の首位です。
なお、2021年における発売見込みは全国で約6. 9万戸と2020年に比べると約0. 9万戸、15.2%増の見込み。 首都圏が3.2万戸(17.5%増)、近畿圏1.8万戸(18.5%増)と回復する模様です。
首都圏1位は、野村不動産 2位住友不動産、3位三井不動産レジデンシャル
首都圏の都県別発売戸数は東京都1万4,153戸、神奈川県5,586戸、埼玉県3,367戸、千葉県4,122戸。 2019年実績に対する都県別の増減率は東京都13.0%減、神奈川県22.2%減、埼玉県26.5%減、千葉県28.8%増。 都区部(東京23区)の供給戸数は1万911戸で、2019年の1万3,737戸に対して2,826戸(20.6%)減となっています。
2年連続の減少で1992年(2万6,248)以来の3万戸割れ。都区部のシェアは40.1%で前年上ヒ3.9ポイントダウンと、2年ぶりに低下しています。 首都圏の戸当たり平均価格は6,083万円で、2019年の5,980万円に比べて103万円、1.7%の上昇となっています。
なお、首都圏の事業者別の新築マンション供給戸数は、野村不動産が1位に。住友不動産が2位、三井不動産レジデンシャルが3位となっています。
野村不動産は2020年、プラウドシティ吉祥寺やプラウドタワー金町が完売、プラウドタワー東池袋ステーションアリーナやプラウドタワー武蔵小金井クロスも完売が近づくなど売れ行き好調で、とくにタワーレジデンスの販売が堅調です。
野村不動産は、2021年も「プラウドタワー芝浦」をはじめ第一種市街地再開発事業で誕生する「プラウドタワー小岩ファースト」など地域のフラッグシップとなりそうな供給が多数予定されています。2021年の首都圏マンション市場を牽引するのではないでしょうか。