2019年10月1日に予定されている消費税の10%への引上げ。2019年10月1日以降の引渡しマンションについては、8%で購入できる経過期間が終了し、2019年4月1日より既に消費税の負担額が10%になっています。
情報サイトの販売価格を見ると、見慣れない1円単位まで表記したものになっています。例えば、「SINTO CITY(シント シティ)」の先着順住戸(4月12日時点)の価格表記は、4403万9996円~。通常は、万単位や10万単位で価格設定をすることが圧倒的に多いので3月中に消費税率8%で販売していた住戸が4月になって10%に引き上げられたと理解できます。
2014年4月1日に5%から8%に消費税が引き上げられた際には、駆け込み需要の反動から景気が停滞しました。その反省から、住宅領域では需要の平準化に向けて様々な施策がとられています。その施策を見ていきましょう。
住宅ローン控除が3年間延長 贈与税非課税措置も拡充され最大3000万円に
消費税率の引上げ後(8%から10%)の住宅取得にメリットが出る支援策は次の4つです。
1.住宅ローン減税・・・控除期間が3年延長(建物購入価格の消費税2%分減税(最大))
2.すまい給付金・・・給付額が最大50万円に(収入に応じて10万~40万円の増額)対象者も拡充
3.次世代住宅ポイント制度・・・新築最大35万円相当、リフォーム最大30万円相当を付与する次世代住宅ポイント制度創設
4.住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置・・・贈与税非課税枠は最大3000万円に拡大(現行最大1200万円)
中でも大きいのは、住宅ローン控除の3年延長でしょう。消費税引上げに伴う施策の為、単純に控除の期間を延長するわけではありません。
☆の部分は、 適用年の11年目から13年目までの各年の控除限度額は以下のいずれか小さい額となります。 ①借入金年末残高(上限4,000万円)※aの1% ②建物購入価格※2(上限4,000万円)※bの2/3% ※a 新築・未使用の認定住宅の場合、借入金年末残高、建物購入価格の上限:5,000万円 ※b 増改築等をした場合は、増改築等に係る費用の額。
例えば、仮に5000万円のマンションの建物価格が3000万円とすれば、その3分の2の額の2000万円の1%になるので、毎年20万円控除されることになります。3年間で合計60万円。建物価格3000万円の消費税2%分は、60万円なので概算では税率の引上げ分がほぼ住宅ローン控除の拡充分で相殺されます。
また、住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税枠も消費税10%になると拡充されます。
住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日2019年4月1日~2020年3月31日の場合省エネ等住宅が3,000万円、それ以外の住宅が2,500万円まで非課税となります(※要件あり)。同じ期間の消費税が10%以外の場合の非課税枠は、省エネ等住宅が1,200万円、それ以外の住宅が700万円までなので大幅に拡充されたことになります。
これらの施策を使える人は、2019年4月1日以降の消費税額が10%に引上げ後の購入でも十分メリットがあると言えるでしょう。
中古マンションは、ローン控除の11年目の延長なし 価格動向にも注意
留意したいのは、施策の多くは、消費税引き上げの影響を受ける新築住宅や買取り再販住宅に対象が限られていることです。個人が所有する中古マンションを購入しても借入限度額2,000万円、控除期間10年、最大控除額200万円となります。
2019年3月の中古マンション成約価格が大きく上昇したように新築マンション価格が消費税の引上げを反映して上昇すれば少なからず中古マンション価格は影響を受けます。今の市況下では新築マンションと中古マンションを並行して見られている方が多いと思いますので、竣工済み含め全ての新築マンションが税率10%に引き上げられる2019年10月までに動く方が良いかも知れません。
注目したいのは、次世代住宅ポイント制度です。税率10%で一定の性能を有する住宅を取得する人に対して、様々な商品等と交換できるポイントを発行する制度です。1ポイント1円相当で、良質な住宅ストックの形成に資する住宅投資の喚起をはかり新築住宅の購入やリフォームにも利用できます。
既にサイトも立ち上がっているので内容確認ください。中古購入+リフォームを同時に行う場合も利用できるので中古住宅の購入には大きなプラスになりと思います。
いろんな施策もあり、消費税が上がったからと言って大きなマイナス(むしろプラスの人も)はありませんが、不動産を買う場合は時間を上手く使うことも重要です。早めに住宅ローンが完済すれば老後の不安も軽減できます。まずは、施策を確認して物件情報を収集してみてはいかがでしょうか。
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