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「ザ・パークハウス 武蔵小杉タワーズ」発表 

2023年上半期の首都圏マンション市場を振り返る マンションは、量から質へ

ニュース&トピックス
「HARUMI FLAG」のプレゼンテーション(筆者撮影)

マンションは、量から質へ 供給減でも都心のフラッグシップが市場を牽引

不動産経済研究所発表の首都圏新築分譲マンション市場2023年上半期によれば、2023年1月から6月までに発売された新築分譲マンションの戸数は、昨年同期比17.4%の1万502戸。東京23区が、4,902戸でシェア46.7%、神奈川県が1,945戸でシェア18.6%。次いで千葉県の1,517戸(14.4%)、埼玉県1,295戸(12.3%)、東京都下834戸(7.9%)となり全エリアで供給戸数が減少した。

首都圏新築マンション 供給戸数の推移(出典 不動産経済研究所)

首都圏新築マンション 供給戸数の推移(出典 不動産経済研究所)

また、平均価格は、前年同期比36.3%アップの8,873万円。エリア別では、東京23区が1億2,962万円となり前年同期比60.2%と大幅に上昇した。そのほかのエリアは、東京都下が5,609万円(3.5%上昇)、神奈川県が5,748万円(7.6%上昇)、埼玉県が5,019万円(14.7%)、千葉県は、4,766万円(0.8%上昇)となっており東京23区と比べて上昇幅は小さい。東京都心のマンション価格高騰が、首都圏全体の平均価格を押し上げている構図が見える。

平均価格が8,873万円となった首都圏マンション市場だが、郊外エリアに目を向けると3LDK タイプの住戸が3,000万円台から4,000万円台の手の届きやすい住戸が多くあることに気づく。三田ガーデンヒルズやワールドタワーレジデンスなど都心のフラッグシッププロジェクトの登場がマーケット価格を大きく押し上げている。

HRUMI FLAG SKY DUOに8,790件の登録 マンション市場の未来は明るい?

2023年上半期の最大のトピックスは、7月16日に登録が締切られた「HARUMI FLAG SKY DUO」第1期の販売結果だ。総戸数1,455戸のうち、573戸を供給。全戸に申込が入り、登録申込数は8,790件に及んだ※(倍率設定(2倍)を実施しており、当設定を除いた倍率を公表 )。仮に、1人あたり1.5件の申し込みをしていたとしても5,000人近くの申込者がいたことになる。供給戸数3万戸前後の首都圏新築マンション市場を考えると驚きの申込件数だ。

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「HARUMI FLAG」のモデルルーム(筆者撮影)

「HARUMI FLAG」のモデルルーム(筆者撮影)

「HRUMI FLAG」の板状棟のときは、都心立地でありながら手が届く価格帯で広い専有面積が購入できるということで、買い替え層の購入が目立った。専有面積は、板状棟に比べると狭くなるが過去に分譲された湾岸エリアのマンションは、有明エリアをはじめ1LDK、2LDKのコンパクトタイプも多い。マンション価格も上昇しており、住み心地のアップを求めて購入を申し込むのも不思議ではない。第1期の販売住戸の中には、3LDKタイプで6,000万円台から購入できるものもあった。実際に高倍率がついたのは、最上階住戸や3LDKタイプなど広くて条件の良い部屋だ。ここからも量から質への流れが見えてくる。

先日、ニュース番組でSUUMO編集長の池本氏が今のマンションの売れ筋トレンドとして、5000万円よりも1億円、40㎡よりも80㎡という話をされていたが「HRUMI FLAG」の好調な売れ行きにもその傾向が表れている。厚生労働省発表の各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移を見ると、令和2年の児童のいる世帯の平均所得金額は、813.5 万円で過去最大。これは、これまで最高だった平成8年の781.6万円を久々に上回る数値。子育てをしながら働く女性が増えたことで、世帯の平均年収が大きく押し上げられている。いっぽう、一人当たりの賃金の伸びは物価上昇によりマイナスが続いている。単身者の割合は増えているものの影響は少なからずあるのだろう。

一世帯当たりの平均所得額の推移

一世帯当たりの平均所得額の推移

総務省統計局によれば、令和5年1月1日時点の日本の総人口は、1億2,541万6,877人で51万1,025人のマイナス。平成22年から14年連続で減少し、対前年減少数及び対前年減少率は最大だ。東京都の人口は、コロナ禍が落ち着き増加に転じているものの寄与しているのは外国人。人口が増えない中で、住宅を販売していくには賃貸からの脱出を含めた住み替え需要の取り込みが必要になる。「HARUMI FLAG SKY DUO」の登録申込者の中には、セカンド利用の買い増しや投資目的も含まれるだろうが、今の住まいに不満を持っている人がこれだけ多いということは、マンション需要はこれからも十分あるということだろう。

横浜フロントタワー、プラウドタワー芝浦など魅力的なプロジェクトが完売

上質感あふれる「プラウドタワー芝浦」のモデルルーム

上質感あふれる「プラウドタワー芝浦」のモデルルーム(筆者撮影)

「HARUMI FLAG SKY DUO」の第1期販売開始を前にして、「プラウドタワー芝浦」「横浜フロントタワー」「プラウドタワー目黒MARC」など首都圏のタワーレジデンスは完売物件が相次いだ。筆者は、前述のプロジェクトのモデルルームを全て見学させていただいたが、タワーレジデンス特有の洗練された共用部や眺望のほか、天井高の確保など専有部のつくり込みにも魅力を感じた。

「プラウドタワー目黒MARC」のモデルルーム

「プラウドタワー目黒MARC」のモデルルーム(筆者撮影)

既にマンションの居住経験のある目の肥えたユーザーに対しては、住み替えによって住み心地が高まることが求められる。建築費の高騰や土地価格の高止まりが続く中、分譲価格の上昇は今後も続きそうだが、暮らしのクオリティが高まる住まいのニーズは、今後も減ることはなさそうだ。

量から質へと向かうことで、買い替え層がウェイティングする人気物件と一次取得層が中心の物件へと中古市場も2極化しそうだ。大量供給が難しくなる中、価値ある物件を選ぶことが今後さらに重要になりそうだ。

参考記事 ダイヤモンド不動産研究所 『新築・中古マンション市場動向は? 注目物件や在庫状況など最新市況を不動産アナリストが解説!【2023年8月版】』