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「パークシティ中野 ザ タワー」反響1万件超PJのコンセプトルーム見学

2020年首都圏マンション・一戸建て市場を振り返る

師走の早朝の浅草 コラム&インタビュー
師走の早朝の浅草

コロナに始まりコロナに終わった2020年 住宅市場は夏以降に回復

コロナ禍で世相が一変した2020年が間もなく終わります。4月の緊急事態宣言以降、ステーホーム期間が続く中で暮らし方や働き方が大きく変化。新築マンションのモデルルームや住宅展示場の自粛期間もあり、住宅の供給戸数や着工戸数は大きく落ち込みました。

しかし緊急事態宣言明けの7月以降、住宅マーケットの様相は一変。一戸建て、マンションともに売れ行きが急回復。新築、中古ともに売れ行きが回復し、中古マンション、中古一戸建てともに月間成約件数の最多を更新するなど活況を呈しています。

首都圏新築戸建て住宅在庫件数推移(出典 東日本不動産流通機構 レインズタワー2020年11月度)

首都圏新築戸建て住宅在庫件数推移(出典 東日本不動産流通機構 レインズタワー2020年11月度)

中でも新築一戸建ての好調さは顕著で、コロナ禍前に2万戸近くあった在庫は大幅に減少。前年同月比で約4割も少なくなっています。要因は、コロナ禍によってテレワークが導入される中、部屋数重視で家を探す家族が増加。かつては、23区内で新築マンションを購入していたような人が一戸建てを選択している人も少なくありません。

その一つが、当サイトでも紹介した「プラウドシーズン稲城南山」。東京23区内で暮らしていた都内勤務の方の購入層は、コロナ禍以降大きく増えています。

【参考記事】 スカイテラス南山に立地「プラウドシーズン稲城南山」の人気理由

 

リクルートホールディングスは、2020年12月10日に第3回コレカラ会議を実施。テーマは、「働く」と「住む」の関係性のコレカラでした。テレワークに関するアンケートでは、テレワークという働き方を評価する声が高く、一部の企業では積極的に導入もスタート。今後の働き方の転換点になるかもしれません。

『新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート』2020年 リクルートキャリア調べ 『新型コロナ禍を受けたテレワーク✕住まいの意識・実態調査』2020年 リクルート住まいカンパニー調べ

『新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート』2020年 リクルートキャリア調べ 『新型コロナ禍を受けたテレワーク✕住まいの意識・実態調査』2020年 リクルート住まいカンパニー調べ

 

住み替えを検討した始めた人も多く、「今後も(コロナ禍が終息した後も)引き続きテレワークを行う場合、今の家から住み替えを検討したいですか」というアンケートに対し24%の人が「はい」と答えています。

『新型コロナ禍を受けたテレワーク✕住まいの意識・実態調査』 2020年 リクルート住まいカンパニー調べ

『新型コロナ禍を受けたテレワーク✕住まいの意識・実態調査』
2020年 リクルート住まいカンパニー調べ

中でも、賃貸住宅に住む方のうち30%が住み替え意向。このことは、住宅取得ニーズの顕在化と主に郊外への賃貸転居ニーズの顕在化に結び付いたのではと筆者は推測します。

『新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート』2020年 リクルートキャリア調べ

『新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート』2020年 リクルートキャリア調べ

また、『新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート』(2020年リクルートキャリア調べ)によればコロナ禍を受けて、キャリアの見直しを考えた人も相当数に上っています。

『新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート』2020年リクルートキャリア調べ

『新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート』2020年リクルートキャリア調べ

また、転職に求める要素も「働き方の自由度」を重視する人が増加。同会議では、「時間」も「場所」も自由裁量が広がり、暮らしも仕事も見直す人が増える。「幸せ」を求め、やりたいこと、大切にしたいことへ、生き方がシフトする。コロナ禍で、生き方そのものを丸ごとデザインし直す人が増えはじめている。と傾向をまとめており、この動きを「クラシゴト改革」(暮らし×仕事=生き方)と名付けています。

同会議では事例として、リゾート地でテレワークをするワーケーションに移った人、趣味を優先し郊外に移り住む人、多拠点生活をスタートした夫婦などが紹介されています。住まいと働き方の考え方の変化は、既に不動産市場にも影響を与えています。

2020年の新築マンションの売れ筋は、値頃感と開放感 駅近も人気

SUUMOでは、2020年9月に「コロナ拡大の住まい探しへの影響(首都圏)」のアンケートを実施しています。同様のアンケートを実施した2020年5月に比べ購入意欲が促進されたと答えた人が増える結果になっています。

コロナ拡大の住まい探しへの影響(首都圏)(2020年9月 SUUMO調べ)

コロナ拡大の住まい探しへの影響(首都圏)(2020年9月 SUUMO調べ)

種別では、中古一戸建て、注文住宅、新築マンション、新築一戸建ての順で購入が促進された方が増えていますが、最も抑制されたという回答が少なかったのは新築一戸建て。新築一戸建ての販売の好調さは、このアンケートの結果からも裏付けられています。

その中で特徴的なのは、世帯年収が400万円未満の方と世帯年収が1000万円以上の層の方の割合が高いことです。さらに注目なのが、20代の購入意欲が大きく高まっている点。将来の備えに早く住まいを持とうとしている方が増えているのでしょう。

こうした傾向は、2020年の新築マンションの売れ筋にも表れています。「プラウドシティ吉祥寺」や「シントシティ」、「プラウドシティ日吉」、「幕張ベイパークスカイグランドタワー」、「ソライエグラン流山おおたかの森」、など値頃感のある郊外エリアの大規模マンションの売れ行きが好調です。通勤利便性も確保しつつ買い物環境や子育て環境が充実している点が評価されています。

◆カフェやスーパーも併設「プラウドシティ吉祥寺」全678邸が完売

◆「新都心」SHINTO CITY(シントシティ)の好調要因

◆「プラウドシティ日吉」多世代・多機能な計画戸数1320戸の街誕生

◆「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」 千葉県最大級最高層タワー

 

また、駅近立地人気も健在で、ペデストリアンデッキで「新子安」駅と結ばれる「ザ・パークハウス 横浜新子安フロント」や「さいたま新都心」駅前の新都心アドレス「ザ・パークハウス さいたま新都心」、相鉄線「瀬谷」駅前の複合再開発「ライオンズ横濱瀬谷ステーションスクエア」、「プラウドタワー金町」、「プラウドタワー亀戸クロス」なども好調な売れ行きです。駅近立地は、公益施設や商業施設などの生活関連施設が充実しています。時間を自在に使いたいニーズは、今後も続くと思われます。

◆「ザ・パークハウス 横浜新子安フロント」デッキ直結徒歩3分の魅力

◆「ザ・パークハウス さいたま新都心」中央区新都心アドレス109邸

◆「ライオンズ横濱瀬谷ステーションスクエア」駅直結複合再開発を探訪

◆金町駅前再開発「プラウドタワー金町」の売れ行きが好調な理由

◆サンストリート亀戸跡地複合開発「プラウドタワー亀戸クロス」

 

都心近接エリアで、年収1500万円前後~2000万円以上の高年収世帯の支持を受けているのが、湾岸エリアのタワーレジデンスです。その中でも「ブランズタワー豊洲」「パークタワー勝どきミッド/サウス」は、駅近と開放感、利便性を併せ持つマンションとして人気を集めています。

◆「ブランズタワー豊洲」天井高2.65mの魅力をモデルルームで実感

◆「パークタワー勝どきミッド/サウス」の注目理由 モデルルーム探訪

湾岸エリアのマンションは、「シティータワーズ東京ベイ」や「プラウドシティ東雲キャナルマークス」など好調物件が目立ちますが、両物件の売れ行きは際立っています。

マンション購入層に占める共働き層の割合が増加しており共に通勤しやすい立地が評価されています。「東京」「大手町」エリアにアクセスしやすいことも「豊洲」や「勝どき」の駅近立地である両物件が人気の要因です。また、ともに敷地が海に面しており開放感もあります。価格が上昇したとはいえ、山手線の内側に比べれば値ごろ感もあります。

都心立地で値頃感から人気を集めているのが「ブリリアシティ西早稲田」、「ザ・パークハウス 市谷加賀町レジデンス」の大規模定期借地権付きマンションです。「ブリリアシティ西早稲田」は、全戸70㎡超の広さの第一期の価格が5,790 万円~。20代が8%、30 代 が58%と若いファミリーの購入が目立ちます。

◆「ブリリアシティ西早稲田」全454邸のモデルルームと好調要因

年収層の高い若い層が早めにマンションを購入するのもコロナ禍を受けての一つの選択肢なのでしょう。中古マンションの在庫が大きく減っているように、コロナ禍は少なからず住まいがどうあるべきかを考えるきっかけとなり住宅需要を押し上げています。そういう意味では、2020年にマンション、一戸建ての購入を決断された方は良いタイミングだったと思います。

2021年の新築マンション市場は、首都圏、関西圏とも供給戸数が回復見込みですが首都圏新築戸建ての供給戸数が、2020年9月から3カ月連続で30%以上昨年対比で減少しているように住宅用地の取得難は続いています。

ずっと住みたいと思える「良い住まい」には簡単に出会えるわけではありません。2020年に住まいの購入を実現できた方は、コロナ禍前からしっかりと準備が出来ていたから。こうした時期でも決断できるのは準備の賜物だと思います。

また、これから購入される方も良い住まいを見つけるチャンスは2021年以降もあります。まずは、資金計画を立てることから準備を始めてみてはいかがでしょうか。

【編集後記】
2020年に世界を襲ったコロナ禍は、大晦日になっても東京の感染者数が1300人を超えるなど収まる兆しが見えません。例年、12月29日には実家のある倉敷へ帰省していましたが2020年は、人生初めて東京で迎える新年になります。

「明けない夜はない」「夜明け前が一番暗い」という言葉があるように、いつかはコロナ禍も終息するでしょう。筆者にとって12年前のリーマンショック時と異なるのは住宅ローンが既に終わっていること。ステイホーム期間中は、数十冊の本を読みながら家族と食卓を囲みました。現在も早朝出社で夕方前に帰宅しています。人生で最も家族と一緒に夕飯を食べることができた一年でした。

「先手必勝」という言葉があるように、早めの一手は後に大きな効果をもたらします。持ち家、ローン無しであればライフプランも立てやすい。結婚したばかりの方は、しっかりと貯蓄に励むことをおすすめします。

2020年夏以降、当サイトを訪問していただいた方の数が約5倍に増えました。2021年もどうぞよろしくお願いします。健やかな良き2021年をお迎えください。